2024年 5月 8日
インフレクション・ポイント:FRBとイノベーション経済との争い
アロケーターの言うことに従うのではなく、アロケーターの行動に従うべきです。FRBが講じる次の金融政策の動きが話題にのぼっているため、金利動向がリスク資産の変動を左右する最大の要因だと考える人もいるかもしれません。しかし、2024年に入ってから4分の1が過ぎた今、相場の動きを見ると、そうではないように思われます。
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2024年 5月 8日
アロケーターの言うことに従うのではなく、アロケーターの行動に従うべきです。FRBが講じる次の金融政策の動きが話題にのぼっているため、金利動向がリスク資産の変動を左右する最大の要因だと考える人もいるかもしれません。しかし、2024年に入ってから4分の1が過ぎた今、相場の動きを見ると、そうではないように思われます。
2024年 4月 18日
営業レバレッジの復調は、2024年において最も重要でありながら過小評価されている動向のひとつであり、市場心理の好転を静かに後押ししている可能性があります。営業レバレッジとは、広義には売上高を利益に変換する企業の能力を意味します。歴史的に見て、米国の大型企業は売上高の2~3倍で利益を伸ばしてきました。しかし、2022年半ばから、S&P 500種構成企業の利益は6四半期連続で売上高を下回る伸び率となりました。2023年第4四半期にはS&P 500種指数は前年比8%増益、売上高は4%増となり、傾向は逆転しました。2024年第1四半期には、S&P500種構成企業の売上高は6.5%増、EPSは11.2%増、利益率は12.8%になると予想されています。
2024年 3月 11日
ウォール街の多くの人々の心にはITバブルの崩壊が刻み込まれているため、最近のテクノロジー主導の株価上昇や人工知能(AI)への期待感に対しても不安がつきまといます。そのような気持ちはもっともです。「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」というマーク・トウェインの言葉は正しかったのです。歴史を無視することは危険ですが、歴史から誤った教訓を導くことも投資家にとって同様に危険です。今回のケースにおいては、現在と1990年代後半では相場を支える背景の違いが明白であり、AIは決して当時のITと同じではないと考えられます。
2024年 1月 31日
米国の経済成長が鈍化し、金利がコンセンサス予想を上回って推移すると予想しつつも、Global Xは楽観的な見方を続けています。成長率の鈍化と金利の上昇は喜ばしいことではないかもしれませんが、この組み合わせは、健全な労働市場、予想以上に強い消費者、経済のソフトランディングに支えられた環境があることの証明となるでしょう。このような背景から、投資家は強力なファンダメンタル・パフォーマンスで成長し続ける市場の割安な部分を見つけることで、防衛策を講じることができると考えます。
2023年 12月 13日
経済リスクが減少し、米国の景気後退はコンセンサス予想ではなくなりつつあり、2024年に向けた金融市場の見通しについて、我々は楽観的な見方を維持しています。昨年のリストの内、2023年の市場で重くのしかかったものもありましたが、第3四半期のGDP成長率5.2%という驚くべき数字を叩き出した米国の経済成長力により、一部のリスクは大きな影響力を持ちませんでした。金利がピークに達した可能性が高い中、地政学的要素は今後1年、投資家にとってより重要な意味を持つようになるでしょう。我々の予想通り、株式市場は11月まで比較的堅調に推移しており、金利上昇で成長率が鈍化してもこの傾向は続くと考えられます。それを前提としながらも、以下、2024年にリスクとなる事柄のリストをご紹介します。
2023年 11月 14日
投資家は常に多くの心配事を抱えており、それは今も同じです。一方で市場は、投資家が不安になる局面をいつも乗り越えてきました。懸念の種はいつでも数多く存在しますが、長期的な視点を持つことで目先のボラティリティを軽減できます。乱高下する市場であっても、投資を続けることによってチャンスが見つかることを忘れてはいけません。昨年今頃のレポートで、難しい市場で投資チャンスを見つけ出すことの厳しさに焦点を当てました。それから12か月が経った今、状況はあまり変わっていないと感じます。本記事では、来年魅力的な選択肢となりそうな潜在的な機会とテーマを探ります。
2023年 10月 5日
中国はかつて世界経済にとって不可欠と考えられていたものの、新型コロナウイルスにより、今の共産・資本主義共同体の基盤に亀裂が入りました。中国は今後も世界の主要国として生き残れると思われますが、先行きは不透明さを増し、中央政府は難しい選択を迫られています。投資家は、経済と国際政治の両面で中国の弱体化が波及する影響を考慮する必要があります。中国がどの道を選んでも、各テーマの今後はさほど変わらないかもしれません。
2023年 9月 4日
利回りの上昇とマクロ経済の不確実性が続く中、8月のグローバル株式市場はやや不安定な状態で展開し、歴史的に9月及び10月によく見られる市場が弱含む季節性と同様の動きを見せました。現在の市場は、欧州と中国における製造業の生産活動の縮小と、消費者信頼感の低下が特徴として挙げられます。しかし、米国の状況は相対的に明るく見えます。 インフレ鎮静化の持続、旺盛な消費意欲、そして引き続き力強い労働市場によって、2023年下半期の市場動向について楽観的な見通しが可能でしょう。旺盛な設備投資サイクルと技術革新の進展による堅調な構造的追い風は、様々なテーマへの後押しを続けています。
2023年 8月 8日
2023年第1四半期の決算発表では、人工知能(AI)への言及が77%も増え、第2四半期以降もさらに増加すると見られています。AIは、企業の生産性向上と利益率拡大に貢献する可能性があるとしてメディアに取り上げられ、投資家の注目を集めています。AIの台頭がメディアに大きく取り上げられる一方で、普及に関してはまだ初期段階にあり、今後さらに多くの展開が待ち受けているものと思われます。本記事では、一般的にメディアでなかなか扱われることのない、3つの視点について考察することを投資家の皆様におすすめします。
2023年 7月 17日
2023年初頭に流れた数々のネガティブなシナリオは上半期には現実のものとならず、ほとんどがレポートで書いた通りの展開となりました。株式市場では、グロース株が比較的楽観的な経済環境を牽引しました。これは、株式市場が完全に危険を脱したという意味ではなく、リスクはあらゆるところに潜んでいます。このようなリスクを認識しながらも、投資家が下半期以降も楽観視できる理由があるとGlobal Xは考えています。
2023年 6月 1日
株式市場の抵抗線は、実は今より高いレベルなのかもしれません。今年のこれまでの好調なパフォーマンスを前提にしても、私は株式市場を「コイル状のバネ」のようにみており、溜めていた潜在的なエネルギーが解放され、バリュエーションが急速に拡大する可能性があると考えています。金利の上昇や地政学的な課題は残るものの、これらのリスクは持続的な下落のカタリストというよりは、短期的な動悸のようなものといえるでしょう。経済は脆弱ですが、株式市場には多くの新芽が生え、希望の兆しがみえます。株式と成長への配分が不足している投資家は、ポジショニングを再考すべきかもしれません。
2023年 1月 17日
2023年は年初から米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げによる市場の混乱が続く可能性があり、経済はおそらく弱含むでしょう。しかし、悲観的な面の一部が強調されすぎているかもしれません。経済のレジームチェンジとリセッションという2つのテーマがよく話題にされるようになりました。レジームチェンジは、金利、インフレ、貿易などの分野での構造的な転換を伴い、資産クラスの長期的リターンを変える可能性があります。リセッションについては、金利上昇が需要の減少につながることによる景気循環的な経済活動の低迷が発生します。これらのテーマにはグローバル経済で起こっている重要な変化が関係しており、詳細に考察する必要があります。世界がニューノーマル(新常態)となり、全く新しい投資レジームに入りつつあると結論付けてしまうことは、時期尚早のように思えます。
2022年 8月 24日
米国の総合インフレ率は6月にピークを打ったようですが、雇用市場は依然として逼迫しており、賃金上昇圧力が高まっています。欧州と同様に、米国ではコアインフレ率とサービスインフレ率の上昇が予想されています。FRBは積極的な姿勢を維持しており、利上げの判断材料としてコアインフレ率を重視する傾向が強まっていますので、おそらく9月には市場が予想する50bpsよりもタカ派色を強めた75bpsの利上げに踏み切る公算が高いとGlobal Xは予想しています。ハト派への政策転換を期待するのは時期尚早ですが、それほど遠い将来ではないでしょう。Global Xでは、FRBは2023年春以降まで引き締めサイクルを延長する可能性は低いと見ています。
2022年 7月 19日
景気後退入りへの懸念と、今年の大幅な株価下落を受けた割安銘柄狙いというふたつの相反する流れを受けて、投資家の動向が二極化しています。その結果、米国債などの安全資産やディフェンシブ資産への需要がこの1カ月で高まった一方で、割安なハイテク銘柄が反発しました。注目すべきは、Solactive Genomics v2 Indexを含むバイオテクノロジー銘柄の反発で、このインデックスは7月15日現在、直近1カ月で24%上昇しています。
2022年 5月 25日
世界市場は混乱しているものの、投資テーマ全体を見渡すと、明らかにポジティブなテーマがいくつかあることが分かります。特にロボティクス、遠隔医療&デジタルヘルス、クリーンテクノロジーといったテーマの成長要因は依然として損なわれておらず、短期的なマクロ経済の弱さもカバーするとみられるため、魅力的なテーマに沿ったバリュエーションが全般的なハイテク指数を上回る可能性があります。これを受けてGlobal Xでは、今は引き続き長期的な成長要因に注目しながら、株価下落局面で上記の投資テーマを検討していく時期であろうと考えています。
2022年 4月 19日
今月の主な投資戦略:
・景気後退リスクと地政学的緊張によりボラティリティが高まる - このような不透明な市場にあって、新たなエクイティ分散手段であるテーマ投資と暗号資産に注目します。
・サプライ側主導のインフレは短~中期的に高止まりする可能性が高い - 金利上昇予想の中で米国の成長株が底堅さを見せています。
・農業投入物価格の高騰により、食糧価格の上昇が長期化する可能性がある - 肥料価格の上昇は、精密農業の導入により食料安全保障を維持できることを示す例と言えます。
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