Thematic ETF Report: Q2 2021

グローバルXの調査チームは、テーマ型ETFレポートの2021年第2四半期版を発表しました。本レポートでは、破壊的創造テーマに対するグローバルXの分類システムと、それを追跡するテーマ型ETFを総括しています。また、テーマ型ETFの業界レベルの分析を行い、新規上場と償還、運用資産(AUM)の動き、資金の流れなどを見ています。

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テーマ別ETFの業界状況 – 2021年第2四半期の総括

2021年第2四半期末時点で、テーマ型ETFのAUMは、米国ETF業界の総AUM 6.5兆ドルのうち2.2%を占めています。これは2021年第1四半期末からほぼ横ばいです。

第2四半期末のテーマ型ETFの総資産は1,432億ドルで、第1四半期末の1,331億ドルから8%増加し、米国のETF業界全体の前四半期比9%増に比べてやや劣後しました。

第2四半期のテーマ型ETFのAUMの増加のうち、純流入による貢献は52億ドルであり、価格上昇による増加は49億ドルでした。

前年同期比では、テーマ型ETFのAUMは、2020年第2四半期末の413億ドルから246%増加しました。

現在、テーマ型ETFは174本あり、前四半期末の163本から増加しており、新規上場は11本、償還はありません。

グローバルXの分類システムのカテゴリー(大分類)で見ると、AUMの絶対的増加額が最も大きかったのは「破壊的創造テクノロジー(Disruptive Technology)」関連のテーマ(74億ドル)で、次いで「インフラ・ストラクチャー(Infrastructure Development)」関連のテーマ(30億ドル)でした。「人口動態(People & Demographics)」関連のETFは2.5億ドルの減少となりました。

テーマ別では、「ヘルスケア・イノベーション」が依然としてAUMで最大のテーマであり、「クラウド・コンピューティング」と「クリーンテック」がそれに続きます。

Global Xによるテーマ別分類システム

Global Xのリサーチチームは、破壊的創造テーマを特定し、テーマ型ETFを分類するための一貫したフレームワークを提供する「Classification System(テーマ別分類システム)」を策定しています。メディアや金融の世界では、しばしばテーマ性のある投資の定義が矛盾しているのを目にすることがあり、どのETFにテーマ性があるのか、どのようなテーマを追っているのかについて混乱が生じています。この分類システムの導入により、破壊的創造テーマとそれに関連するETFについて、より明確になることを期待しています。

テーマ別投資の定義

Global Xでは、テーマ型投資を、破壊的創造に関するマクロレベルの強力なトレンドと、それらのトレンドの実現によって利益を得る基礎的要素を特定するプロセスと定義しています。

テーマ型投資とは、長期的な成長志向の戦略であり、一般的な地理的な制約や伝統的なセクターや業界の分類にとらわれず、成長戦略どうしの相関性を低く保ちながら、関連性のあるコンセプトに投資するものです。

特筆すべきことは、破壊的創造をトレースする構造的トレンド(気候変動など)を示すものでない限り、テーマ型投資はESG戦略、価値観に基づく戦略、政策主導型の戦略から構成されていないということです。さらに、伝統的なセクターや業界の分類に固執するファンドや、主に循環的なトレンド(通貨、バリュエーション、インフレなど)へのエクスポージャーを得ることを目的としたファンドは、テーマ性のある投資とはみなされません。最後に、上場インフラ・ストラクチャー、MLP、ユビキタス・コモディティなどのオルタナティブ資産クラスはテーマ性があるとはみなされません。

テーマの分類

Global Xのテーマ分類システムは、4つの階層から構成されています。1)カテゴリー、2)メガテーマ、3)テーマ、4)サブテーマの4つの階層で構成されており、それぞれの階層の焦点が順次絞られていきます。

“カテゴリー”は最も広い層であり、破壊的創造の4つの基本的な要因を表しています:テクノロジーの指数関数的な進歩(Disruptive Technology:破壊的創造テクノロジー)、変化する消費者の習慣と人口動態(People & Demographics:人口動態)、進化する環境関連課題解決技術(Climate Change:気候変動)、そして増大するインフラ需要(Infrastructure Development:インフラ・ストラクチャー)です。

一つ下の階層は“メガテーマ”であり、共通の領域で大きな変化を引き起こしている複数の変革的な力のより狭義の集合体となっています。例えば、ビッグデータは、機械/ディープラーニング、サイバーセキュリティ、量子コンピューティング、クラウド/エッジコンピューティングで構成されるメガテーマになっています。

さらに下の階層では、テクノロジーの進歩、消費者の需要の変化、環境への影響など、変革的な破壊の具体的な分野を“テーマ“として特定しています。現在、40の“テーマ”が分類されています。

“サブテーマ”とは、テーマの特定の用途や、テーマを推進する上流段階の要素など、よりニッチな分野を特定しています。

テーマ型ETFは、特定のカテゴリー、メガテーマ、テーマ、サブテーマを対象とすることで評価されます。当社の分類プロセスでは、特定のETFの方法論、保有状況、目的を分析し、そのETFに最適なものを見つけ出すことを目指しています。「Classification System(テーマ別分類システム)」は、四半期ごとに見直しを行い、新たなカテゴリー、メガテーマ、テーマ、サブテーマの可能性を検討しています。また、新たなETFの導入や戦略の変更があった場合には、直ちにその分類によって評価されます。

結論

既存のパラダイムを破壊的創造もたらす新技術発展や、世界の人口動態の変化により消費者の行動が変容し、既存のビジネスモデルは変革を余儀なくされ、また物理的環境が劇的に変化するという未知の時代にあって、これらのテーマとそれにアクセスするための金融商品を追跡するための一貫したフレームワークの必要性が高まっていると当社は考えています。