次のビッグテーマ(グローバル):2026年1月
データセンター
AIがデジタルインフラを再構築し、成長の勢いが加速
人工知能(AI)の普及を背景に、世界のデータセンター市場は今後も力強く、持続的な成長が見込まれると考えています。試算では、2030年まで年率約14%の成長が続き、最大で約1億キロワット(100ギガワット)の設備容量が新たに追加され、世界全体のデータセンターにおける電力需要は実質的に倍増する可能性があります。AI関連の処理は、既にデータセンター全体の計算処理の約25%を占めています。中でも、AIの学習(トレーニング)よりも推論(リアルタイムに結果を提供)の比重が高まっており、企業は処理性能を最適化するため、地理的に分散したデータセンターの整備を重視するようになっています1。この需要拡大を支えているのは、クラウド大手(ハイパースケーラー)や主要テクノロジー企業の他、半導体・メモリメーカー、エネルギー供給事業者、将来の建設を見据えて用地を確保する不動産デベロッパーまで、幅広いプレイヤーが関与しています。また、電力の確保とエネルギーインフラは立地選定の重要な要素となっており、データセンター開発は建物や半導体への投資に加え、安定的に稼働させるための電力供給能力そのものへの投資も不可欠となっています。こうした結果、AIが求める膨大な計算能力、設備容量、通信接続を背景に、複数の産業にまたがる力強い成長局面が形成されつつあります。
防衛テクノロジー
米陸軍が次世代の自律型ドローン能力を本格的に推進
米陸軍は、大型の垂直/短距離離着陸(S/VTOL)無人航空機(UAS)の開発を進めており、2028年までにグループ4クラスの先進的なドローンを実戦配備することを目指しています。この次世代プラットフォームは、従来の滑走路を必要とするシステムとは異なり、滑走路を使用しない上、自律的な任務遂行能力を備えており、通信が妨害された状況下でも任務を継続できるよう設計されています。こうした仕様は、ロシアによるウクライナ侵攻など、近年の実戦から得られた教訓を反映したものです2。この取り組みは防衛テクノロジーという投資テーマの観点からも注目されます。高度なセンサー、ミッション用ソフトウェア、サイバーセキュリティ、拡張性の高いシステム設計といった分野への投資拡大が、従来の大手防衛企業だけでなく、新興企業による技術革新も後押ししています。
人工知能
AIへの資金競争が加速
大手AI企業のOpenAIは、EC大手かつクラウド大手のアマゾンと100億ドル(約1.5兆円)を超える可能性のある投資について協議しており、この取引が実現すると、両社の関係はさらに強化される見込みです。報道によると、今回の投資はOpenAIによるアマゾン独自のAIチップやクラウドインフラの活用に繋がる可能性があり、アマゾンウェブサービス(AWS)が競争の激しいAI向けコンピューティング市場において主要サプライヤーとしての地位をさらに強めることが期待されています。より広い視点では、この規模の投資はOpenAIの評価額を5,000億ドル(約77兆円)超に押し上げる可能性があり、AIリーダーシップには単なるアルゴリズムだけでなく、莫大な資金、スケーラブルなクラウドインフラ、信頼性の高い計算資源へのアクセスが不可欠であることを改めて強調しています3。
フィンテック
コインベースの拡大が示す「オールインワン取引所」の台頭
コインベースは、米国ユーザー向けに米国上場株式の手数料無料取引や予測市場(未来のイベント結果を予測して売買できる金融市場)を追加し、従来の暗号資産専用取引所から、より広範なマルチアセット型の金融ハブへと大きく転換しました。米国ユーザーは、コインベースのアプリ内で暗号資産と並行して株式やETFを直接取引できるほか、予測市場プラットフォームを提供するカルシを通じて、選挙やマクロ経済指標など、現実世界のイベントに連動した予測市場に参加することができます。今回の展開は、コインベースの「オールインワンの取引プラットフォーム(Everything Exchange)」戦略の一環であり、先物やパーペチュアル契約(無期限に持てる暗号資産デリバティブ)に加え、トークン化された株式やステーブルコインを活用したサービスの提供も計画されています4。フィンテック分野の観点では、この戦略は暗号資産取引所と従来の金融プラットフォームの境界を曖昧にし、米ロビンフッドなどの証券取引アプリとの競争を一段と激化させます。また、投資家の統合型マルチアセットプラットフォームへのニーズの高まりや、ステーブルコイン、トークン化、オンチェーン市場の成長を示す重要な事例ともいえます。今後、デジタル資産企業が従来の金融機能へ進出する中で、規制の明確化とインフラの普及が成功の鍵を握ると考えられます。
AI半導体
TSMCの2nm技術突破が示す、新たな半導体イノベーションの波
台湾積体電路製造(TSMC)は、最先端の2ナノメートル(nm)半導体チップの量産を開始しました。TSMCによれば、この次世代チップは先進的なナノシート型トランジスタ構造を採用しており、集積度と省エネルギー効率の両面で業界最先端の技術であると説明されています。生産は、台湾の新竹と高雄の主要製造拠点で進められており、特にAIやデータセンター、モバイル機器向けの高性能・省エネルギー型コンピューティング需要が世界的に急増していることを背景としています。TSMCの顧客には、エヌビディアやアップルなどの大手テクノロジー企業も含まれます5。この2nmチップの量産開始は、半導体技術の最前線でのイノベーションのスピードが極めて速いことを示しており、AIコンピューティング、消費者向け電子機器、世界のテックサプライチェーン全体に広範な影響を与える可能性があります。
クリーンテック
企業による電力調達がクリーンエネルギーの原動力に
米国では、新型原子力、核融合、地熱、水力など、安定的に電力を供給できるカーボンフリー電源(クリーンファームエネルギー)に対する企業需要が急速に高まっています。企業は、10州で合計6ギガワット以上の新規クリーンファームエネルギー導入計画を発表しており、2025年だけでその半分以上が公表されるなど、パイロットプロジェクトを超えた急速な普及が進んでいることがうかがえます。
より広い視点では、2025年の米国における第1~3四半期において、企業は合計20.4ギガワットの新規クリーンエネルギー設備を発表しており、民間企業の需要がエネルギー転換を大きくけん引していることがわかります6。これらの動きは、企業が単なる間欠型の再生可能エネルギーにとどまらず、24時間安定に供給できるクリーン電力の確保にシフトしていることを示すと同時に、次世代技術の商業化リスクを低減する役割も果たしています。こうした動きは、クリーンエネルギー市場の成熟と、長期的な脱炭素投資の機会を示す重要な指標であるともいえます。
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