次のビッグテーマ:2022年1月

The Next Big Theme: Thematic Newsletter Global X ETFs

ソーシャルメディアとブロックチェーン

Web3台頭で、メタバース不動産市場がヒートアップ

「インターネット3.0」とも呼ばれるWeb3が台頭しています。非中央集権型ブロックチェーン・テクノロジーの利用を通して、インターネット・サービスや、モバイル・アプリのあり方が見直されている状況です。Web3は、暗号通貨、非代替性トークン(NFT)、ゲーム、AR/VR、そしてメタバースといった新興テクノロジーの活用を目指すものです。メタバースに見られるように、Web3によって企業間の相互運用が可能となり、オーナーシップをユーザー側の手に渡すこともできるようになりました。メタバースにおけるデジタル不動産ブームの急成長は、デジタル・オーナーシップの代表例ともいえます。消費者はブロックチェーン内で稼いだ暗号資産を使って、コンサート会場、ショッピングモールなど需要の高い物件への投資を引き続き行います。メタバースで人気の2社、サンドボックスとディセントラランドでは、最も安い土地の区画でも、直近の価格は13,000ドル以上となっています。1

電気自動車

EV売上の増加傾向続く

自動車メーカー各社は、電気自動車(EV)の広範囲な普及が今後も続くとの予測を行っています。最新のデータによると、2021年11月の全世界におけるEV売上高は前年同月比72%増で、自動車売上高全体の11.5%を占めています。2 ノルウェーは、世界で初めて内燃機関エンジン搭載車の販売終了を目指していますが、EVは同国における2021年新車売上の約3分の2を占めるに至っています。3 同国で最も売れているのはテスラ社製ですが、第4四半期の販売台数は308,600台と、過去最高を記録しています。テスラ社の年間総販売台数は936,712台と、2020年から87%増となりました。4 テスラ社は2022年に、独ベルリンと米テキサス州の巨大工場での生産開始を予定しており、同社の勢いは今後も続きそうです。EV市場参入に遅れをとった他のメーカー各社も、EV生産を積極的に増やそうとしています。例えば、トヨタは2030年までに、350万台のEV生産と、バッテリーを動力源とするモデル30種の開発を目指しています。5

フィンテック

BNPL、バンキングの主力商品に

米国内の調査によると、2021年末のショッピングで、一部だけでも後払いサービス(BNPL)を利用した、と回答した人の割合は42%に上っています。6 32%は99ドルまでであれば利用したいとのことでしたが、26%は200ドルまで利用したいとのことでした。7 中国市場でも米国と同様、消費者がオンラインショッピングを利用する傾向が強いことや、モバイル決済のエコシステムが確立されていることを勘案すれば、BNPLが大きな成功を収めるポテンシャルは十分にあるといえます。2021年には、BNPLは51.3%の成長を遂げ、取扱高は827.8億ドルに上ったものと見られています。8
BNPLの急成長については、主要な信用格付機関も注目しています。従来、BNPL融資は消費者の信用履歴に影響を及ぼさないものでした。ところが、エクスペリアン、トランスユニオン、エクイファックス等はBNPL融資についての信用報告の作成に取り掛かっており、そうなると消費者にとってはFICOスコア(個人信用スコア)の作成、改善の新たな機会が与えられることになります。

米国のインフラ

第一段階:港湾

インフラ投資・雇用法(IIJA)の成立を受けて、米国内の港湾施設に対する投資が進行中です。ピート・ブティジェッジ運輸長官は12月に、全米19州と1つの準州における25件の新規プロジェクトに対して2.41億ドルの一般助成金による政府支援を行い、継続しているサプライチェーン問題の解消を促すことを発表しました。9 IIJAに則れば、この助成金は今後5年間にわたって、毎年ほぼ2倍のペースで増額される予定です。10 これらの投資は、サプライチェーン問題の緩和のみならず、雇用創出の効果も狙いとするものです。

モノのインターネット(IoT)

半導体市場に日本も参入

米国と中国の両国が、台湾、韓国と並んで、熾烈さを増す国際的な半導体市場の主役となっていますが、日本も忘れてはなりません。日本政府は、半導体の国内生産による収益を2030年までに3倍に増やすことを目指すとの意向を示し、その目標に向けて68億ドルの投資を行う旨を発表しました。11 2021年には、半導体不足のためにトヨタ、ソニーグループ、キーエンスといった日本のトップ企業において、深刻なサプライチェーン上の問題が生じました。このような半導体不足の長期的な解決策としては、例えば先日同国政府が、台湾積体電路製造(TSMC)とソニーグループ共同による70億ドルの半導体製造工場建築を認可したことなどが挙げられます。12

大麻の合法化

欧州における合法化の動き

12月に、マルタがEU加盟国の中で初めて、娯楽用大麻の正式な合法化を行いました。マルタの居住者は、居住区域内で7グラムまでの大麻持ち込みと、4株までの大麻栽培が認められます。13 この新法施行によって、マルタ政府は大麻に関する犯罪の撲滅や、違法な大麻取引の減少を目指しています。マルタに続いて、ドイツも娯楽用大麻合法化の準備を進めており、認可を受けた店舗での大人向け大麻販売を認める方向です。それ以外の国も追随するものと見られています。ルクセンブルクは2021年10月に個人使用の大麻合法化に向けた動きを見せましたが、新型コロナ感染症拡大に伴い、この動きは遅れています。また、イタリアも国内における大麻栽培と所有の合法化に向けた国民投票の準備を行っています。