次のビッグテーマ:2022年2月

The Next Big Theme: Thematic Newsletter Global X ETFs

太陽光および再生可能エネルギー

太陽光発電で強化される米国の送電網

米国エネルギー情報局(EIA)の予測では、今年、米国の電力網に46.1ギガワット(GW)の新たな発電所規模の発電容量が追加される見込みです。EIAは、新規計画容量のほぼ半分にあたる21.5GWが太陽光発電によるものになると推定しています。1,2 太陽光に続いて、天然ガスが21%、風力が17%を占めると予想されています。3 世界中で二酸化炭素排出量ネット・ゼロへの移行が急速に進んでおり、太陽光発電などのクリーンエネルギー導入が促進されています。

電気自動車

より大きな目標を掲げる自動車産業

自動車メーカーは、電気自動車(EV)へのシフトを継続しています。ルノーSA、日産自動車、三菱自動車の3社は、今後5年間で電動化に230億ユーロ(258.5億ドル)もの巨額投資を行うと発表しました。4 このアライアンスはEV目標を更新しており、2030年までに新型EV35車種を投入し、合計220ギガワット時のバッテリー生産能力を備える計画です。5 また、ゼネラルモーターズは、ニューヨークでのステータモジュール生産に154百万ドルを投資する計画を発表しました。6 ステータモジュールは、GMの電気トラックやSUVの動力源となる電気モーターの主要部品です。自動車業界のEVに対するコミットメントの強化により、最近の予測では、世界のEV市場は2020年の2,467億ドルから2030年には8,237.4億ドルに拡大する可能性があるとされています。7,8

自律型車両

加速する自動運転の導入

米国下院運輸インフラ委員会は、自動運転車両に関するパネルの開催を検討しています。民間セクターの技術革新に追随できるような規制の枠組み作りが始まり、立法府も自律型車両(AV)について真剣に考え始めているようです。民間セクターでは最近、TuSimpleの完全自律走行型セミトラックが、人手を介さずに公道で初のテスト走行を行うなど、前向きな進展が見られます。この車両は、アリゾナ州内で80マイルの走行を成功させました。最終的には、同社のAVは、特に長距離路線におけるドライバー不足によるボトルネック緩和に役立つ可能性があります。ゼネラルモーターズのメアリー・バーラCEOは、同社のドライバーレスカーに初めて乗車した際、その体験を「私のキャリアのハイライト」と表現しました。彼女はまた、AVは 「人々の移動の仕方を変えるだろう」と述べました。GMのクルーズ車の1つで「トスターダ」の愛称で知られるシボレー・ボルトEVが、今年から市販開始の見込みです。

ソーシャルメディア

構築中の仮想現実領域

メタ・プラットフォームズは、エヌビディアと共同で、自然言語処理などの分野でAIモデルを教育できるAI研究用スーパーコンピューターを開発中です。AI Research Supercluster(RSC)と名付けられたこのスーパーコンピューターは、完成後、次世代のAIインフラを構築するための新しい拡張現実(AR)ツールの開発に使用される見込みです。また、エヌビディアは、昨年末に展開したオムニバースをGeForce RTXギアのユーザーが試用できるようにしています。エヌビディアのオムニバースは、ワンクリック共有技術、3Dマーケットプレイスやデジタルアセットライブラリ、3Dフェイスモデリングアニメーションなどの機能を備えています。その他のメタバースをいち早く導入した企業としては、小売企業が増加しています。ナイキは、メタバースディレクターやプリンシパルイノベーションエンジニアなど、ARベースの求人情報を多数掲載しています。また、ウォルマートはバーチャルグッズを製造・販売するための商標を出願しました。同社は、独自の暗号通貨や非代替性トークン(NFT)の創設も計画しています。

モノのインターネット(IoT)

高まる投資熱

台湾積体電路製造(TSMC)は、半導体ファウンドリ事業の拡大のため、2022年に52.2兆ウォン(440億ドル)の投資計画を発表しました。9 2020年と2021年の半導体投資で首位だったサムスンの投資計画は、45兆ウォン(377億ドル)と僅差で2位になりました。公共セクターでは、中国政府が、半導体の国際調達プラットフォームを深圳に設ける計画を発表しています。中国は、機器、部品、原材料の交渉を1つのプラットフォームに統合することを目指しており、今後、電子機器および半導体メーカーを支援していくと見られます。

クラウドコンピューティングおよび人工知能(AI)

IBMがクラウドを牽引

IBMの新しいハイブリッドクラウドとAI戦略は、パンデミック後の労働力にITサービスを提供するうえで不可欠な役割を担っています。ハイブリッドクラウドコンピューティングとは、個々のデータセンターと、オンラインでアクセスできるコンピュータリソースのリースを組み合わせて利用できる仕組みのことで、最近勢いを増しているトレンドです。同社のアナリティクスとAIサービスを通じて、企業は処理速度を上げ、ビジネスや取引データを推定することが可能になります。ある試算では、2022年の世界の企業向けソフトウェアへの支出は2021年から11%増加して6,710億ドルに達し、その大部分がクラウドシステムに向けられる見込みです。10

ビデオゲーム

ゲーム会社によるM&Aが活況

ソニーが、ゲーム開発会社バンジーを36億ドルで買収すると発表しました。これは、年初来で3番目に大きい買収案件となります。11 このニュースは、テイクツー・インタラクティブによる127億ドルでのジンガ買収の発表、マイクロソフトによる687億ドルでのアクティビジョン・ブリザード買収の発表に続くものです。12 マイクロソフトによるアクティビジョン・ブリザードの買収が完了すれば、全額現金による買収としては米国で過去最大、世界でも3番目か4番目に大きな買収となる可能性があります。この取引は2023年に完了する予定であり、アクティビジョンが保有する数々の有名ゲームソフトが、マイクロソフトの拡大を続けるプラットフォームで提供されることになります。マイクロソフトは、これらのタイトルをXboxコンソール内の選択肢に加え、モバイル、PC、コンソール、クラウドゲームにまたがる基盤を拡大させる意向です。マイクロソフトのメタバースへの進出には、アクティビジョンのインタラクティブな機能が有利に働くと予想されます。