次のビッグテーマ(グローバル): 2023年12月

Eコマース & フィンテック

年末年始の消費動向が明らかに

感謝祭からサイバーマンデーにかけて、米国の消費者はデジタル・プラットフォームへ大幅にシフトし、2億40万人という記録的な人数がホリデーショッピングに参加しました1。これは昨年の数字を上回り、当初の予想も大きく超えました2。米国の消費者はサイバーマンデーだけで124億ドルを使い、全サイバーウィーク期間中のオンライン売上高は前年比5%増の708億ドルとなりました3。サイバーウィーク2023のデータによると、グローバルでの売上高は前年比6%増の2,980億ドルでした4。BNPL(Buy Now, Pay Later 今買って後で支払う)オプションとモバイルウォレットの普及は注目すべき傾向です。米国のBNPL注文は前年同期比8%増で、経済が逼迫する中、消費者が柔軟な支払い方法を選好する傾向が強まっていることを示唆しています5。米国のモバイルウォレット利用はアップルペイなどの後押しにより54%増加し、より便利でスムーズな支払い方法への移行が見られます6

アマゾンは10億点以上の商品を販売し、2023年のホリデーショッピングイベントは過去最大のものとなりました。これは、同社のプロモーション戦略の強さと、エレクトロニクスやパーソナルケア関連商品で特に見られる品揃えの良さを浮き彫りにしています7

ヘルス & ウェルネス

医薬品が肥満と減量治療を変革

食品医薬品局(FDA)がイーライリリーのゼップバウンド™(一般名:チルゼパチド)を承認したことは、長期的な体重管理という分野において大きな出来事と言えます8。ゼップバウンドは臨床実験で大幅な体重減少を実証し、最高用量では平均48ポンド(約22キロ)の体重減少を成功させました9。この薬剤は、GIPとGLP-1という2つのインクレチンホルモン受容体を活性化し、体重超過の根本的な原因に対処する治療薬の中で、初めて承認されたものになります10。ノボノルディスクは、同社の減量薬ウェゴビーとサクセンダの販売促進のため、2013年から2022年の間に米国の医療専門家に2,580万ドルを支払っています11。この薬は、消化を遅らせる天然ホルモンを模倣し、患者に満腹感を与えます。ウェゴビーは、実験で平均15%の体重減少を成功させています12。ロシュは、カーモット・セラピューティクスを27億ドルで買収することで有望なGLP-1受容体作動薬を入手し、減量の分野に参入しました13。カーモットの主力製品であるCT-388は、フェーズIb試験で著しい体重減少を実証しています14
ロシュはまた、CT-868とCT-996を取得し、肥満や心血管疾患、神経変性疾患などの可能性のある疾患へと対応範囲を拡大しています15

サイバーセキュリティ

サイバーセキュリティへの取り組みにおける欧米の相乗効果

欧州連合(EU)のサイバー・レジリエンス法(CRA)と米国の連邦サイバーセキュリティ人材拡大法は、政府レベルでのサイバーセキュリティ強化における極めて重要な一歩となりました。CRAはEUにおけるデジタル製品のセキュリティを向上させるでしょう16。CRAはコネクテッドデバイスのメーカーに包括的なサイバーセキュリティ要件を義務付け、ハードウェアとソフトウェア製品のライフサイクル全体を通し、強固なセキュリティ対策を講じさせるものです17。米国では、連邦サイバーセキュリティ人材拡大法によりサイバーセキュリティ・インフラストラクチャ・セキュリティ庁に登録見習いプログラムを設立し、退役軍人省を通じて退役軍人のサイバーセキュリティ訓練のパイロットプログラムを設立することが目標とされています18。この施策は、熟練したサイバーセキュリティ専門家の需要の高まりへの戦略的な対応となっています。

企業側の動きとしては、IBMコンサルティングとパロアルトネットワークスの提携拡大が、サイバーセキュリティに対する民間企業の積極的な姿勢を示しています19。この協力関係は、進化するサイバーセキュリティの脅威に対して、クライアントの全体的なセキュリティ体制を強化することを目的としています。

クリーンテック

アラブ首長国連邦(UAE)が気候基金「アルテラ」を先導する

COP28気候サミットの主催国であるUAEは、気候変動に対応する画期的な気候基金「アルテラ」を設立しました20。UAEの300億ドルの出資に支えられ、世界的な資産運用大手のブラックロック、ブルックフィールド、TPGと提携したこの新ファンドは、2030年までに2,500億ドル以上の投資を集め、気候変動投資の新たなスタンダードを打ち立てることを目標としています21。アルテラの戦略の中核は、発展途上国や新興国向けのクリーンエネルギーの開発や、気候変動緩和プロジェクトに投資することです。このファンドはすでに、インドで6ギガワット以上のクリーンエネルギー施策に資金を割り当てることに成功しています22。この戦略は気候問題への対応だけでなく、これらの地域の持続可能な成長においても極めて重要であり、このような投資の必要性について世界的にコンセンサスが高まっていることを示しています。

防御テック & 人工知能(AI)

アメリカ合衆国国防総省の包括的なAI統合戦略

米国防総省(DoD)は、人工知能(AI)を戦略的に軍事作戦に組み込もうとしています。その代表的な例が、デジタル・人工知能首席事務局(CDAO)がオンライン学習プラットフォームであるMITホライズンと共同で主導する「デジタル・オンデマンド」施策です23。このプログラムは、国防総省全体のAIリテラシーを高め、防衛戦略へのシームレスな統合を確実にすることを目的としています。米空軍と宇宙軍は、より広範な近代化施策の一環として、AIと機械学習を意思決定プロセスに織り込む取り組みを強化しています24

最近の注目すべきパートナーシップとしては、RTXのレイセオンBBNテクノロジーズユニットが国防総省と800万ドルの契約を結び、防衛ロジスティクス・ネットワークのレジリエンスを強化するための予測分析を活用したサプライチェーン・シミュレーターを開発したことがあげられます25。民間セクターでは、ノースロップ・グラマンとローデ・シュワルツが、欧州全域で強力な通信システムを開発するための基本合意書(MOU)を締結しています。この協力関係は、第5世代航空機と第4世代航空機の相互運用性を強化する技術にまで及び、複数領域にある戦力を結び付けています26

ソーシャルメディア

デジタル広告の成長が2023年の予測を覆す

2023年の世界の広告収入は、前年比5.8%増の約8,890億ドルと予測されており、これは年度半ばの予測と近しいものになっています27。デジタル広告出費の増加がこの成長の大きな要因となっています。特に、YouTubeやTikTokのような人気プラットフォームを含み、コネクテッドTVやデジタルOOH(屋外広告)のような分野を除いた純広告は、前年比9.2%増となり、当初の予想を上回る予測となっています28。2028年までに、この分野は2022年の広告業界全体の規模を上回ると予想されています29。短尺動画コンテンツとEコマース・マーケットプレイス広告の人気が高まっていることがその大きな理由です。短尺動画プラットフォームは、非常にエンゲージメントが高いメディアとして登場し、視聴者の注目を集めるクリエイティブな方法を広告主に提供しています。Eコマース・マーケットプレイス広告もまた、効果的に消費者ターゲティングするための直接的なチャネルを広告主に提供しています。

関連ETF

関連商品へのリンク先はこちら:
2627 - グローバルX eコマース - 日本株式ETF
2637 - グローバルX クリーンテック - 日本株式ETF
2638 - グローバルX ロボティクス&AI - 日本株式ETF
2836 - グローバルX フィンテック - 日本株式ETF