次のビッグテーマ(グローバル):2024年8月

ロボティクス&人工知能(AI)

加速するヒューマノイドロボット開発

エヌビディアは、ヒューマノイドロボット開発を簡素化するために、トップクラスのロボットメーカー、AIモデル開発会社、そしてソフトウェアメーカーに、一連のサービス、モデル、コンピューティングプラットフォームを提供しています。その中には、ロボットシミュレーションと学習のためのNVIDIA NIMマイクロサーバーとフレームワーク、多段階のロボットワークロードのためのNVIDIA OSMOオーケストレーションサービス、そしてAIとシミュレーションに対応した遠隔操作ワークフローが含まれます1。NVIDIA推論ソフトウェアを搭載したNIMマイクロサービスは、デプロイメント時間を数週間から数分に短縮し、生成的物理AIのためのシミュレーションワークフローを強化するビルド済みコンテナを使用します2。クラウドネイティブ管理サービスのNVIDIA OSMOは、分散コンピューティングリソースにまたがる複雑なロボット開発ワークフローを簡素化し、展開と開発のサイクルを数か月から数日に短縮します。合成データの生成、モデルのトレーニング、強化学習の実施、ヒューマノイドのための大規模なソフトウェア・イン・ザ・ループ(SIL)テストの実施などのタスクを管理することができます3。さらに、エヌビディアはヒューマノイドロボット開発者プログラムを開始し、これらの最新リリースや、エヌビディアのIsaac SimとLab、Jetson Thor、Project GR00T ヒューマノイド基盤モデルへの早期アクセスを提供しています。ボストン・ダイナミクス社、バイトダンス社、フィギュアAI社、および1x社は、この早期アクセスプログラムにいち早く参加しています4

データセンター&デジタルインフラ

クラウドプロバイダーとAI企業がデータセンター賃貸料の堅調な伸びを牽引

既存のデータセンターは割高な価格で賃貸されており、需要の高まりとキャパシティ不足が浮き彫りになっています。北米のデータセンターの空室率は、さまざまな主要市場で最低を更新しています。シカゴの空室率は、2023年第1四半期の6.7%から2024年第1四半期に2.4%まで低下し、再び空室率の低さでトップになりました5。バージニア州北部でも、データセンターの供給が前年同期比で18%増加したにもかかわらず、空室率は前年の1.8%から0.9%に大幅に低下しました6。世界で最も電力が限られた市場であるシンガポールでは、利用可能な容量はわずか7.2メガワット(MW)であり、空室率は過去最低に近い1%にとどまっています7。こうした供給不足と高い需要の結果、北米のデータセンターの価格設定は急速に上がっています。典型的な250~500キロワット(kW)要件の平均募集賃料は、北米の4市場すべてで第1四半期に前年同期比20%増と急増し、世界最高の上昇率を記録しています8。2024年の米国データセンターの賃貸料は、前年同期比15%増が見込まれています9

ヘルスケアイノベーション

肥満と糖尿病治療薬が2030年の医薬品ランキングトップを占めると予想

5つのGLP-1代謝改善薬が2030年までに1,000億ドル以上の売上をもたらすと予想されています10。イーライリリーのマンジャロ、ゼップバウンド、ノボ・ノルディスクのオゼンピック、ウゴービ、次世代治療薬カグリセマを含む5つの医薬品に牽引されたGLP-1市場全体では同年、1,300億ドルの売上を達成すると予想されています11。米国の成人の40%以上を含む、世界中で10億人以上が肥満に分類されています12。肥満関連癌、肝疾患、腎臓病など他の領域でも成功を収めつつあることから、2030年以降のこの治療カテゴリーの見通しはさらに明るいと考えられます。最近の研究では、ノボ・ノルディスクのオゼンピックやイーライリリーのマンジャロなどのGLP-1製剤を投与された患者は、従来の糖尿病治療薬に比べて、肥満に関連する10種類のがんのリスクが低下したことが分かりました13。最もリスクが低下したのは、胆嚢がんの65%低下、膵臓がんの59%低下、肝細胞がんの53%低下でした14

リチウム&バッテリーテクノロジー

欧州諸国、リチウムと固体電池の生産促進に注目

欧州連合(EU)、ドイツ、セルビアは、セルビアでのリチウム発掘とEVバッテリー製造に関する暫定協定に調印しました15。これらの協定は、EUの中国リチウムサプライチェーンへの依存度を下げることを目的としています。協定が成立すれば、セルビアは欧州最大級のリチウム鉱山を保有し、EVサプライチェーン全体を管理する欧州初の国となり、2023年の国内総生産(GDP)の4%に相当する可能性があります16。自動車メーカーのステランティスやメルセデス・ベンツもこの協定に署名しています。バッテリーの分野では、フォルクスワーゲンのPowerCoとクァンタムスケープが、クァンタムスケープの全個体電池技術の量産を強化することで合意しました17。この合意により、PowerCoは年間最大40ギガワット時(GWh)を製造できるようになります。年間80GWhまで拡張できるオプションもあり、これは、年間約100万台のEVに電力を供給するのに十分な量になります18。全個体電池は、安全性の向上、航続距離の延長、充電の高速化により、次世代のEV用バッテリーとして注目を集めています。

米国インフラ

ニューヨーク州とワシントン州、重要インフラ強化のための資金援助を受ける

ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は7月、州内の216の重要インフラプロジェクトに4億8,400万ドル以上の資金を提供すると発表しました。この資金は、橋や排水渠の改修や交換に重点を置いたプロジェクトに充てられ、既存のインフラを強化することで悪天候によるリスクを軽減し、ニューヨーク州の交通インフラ全体の安全性と持続可能性を高めることを目的としています19。この資金は、連邦政府のブリッジ・フォーミュラ・プログラムの支援を受けている同州のBRIDGE NYイニシアチブを通じて提供されます。この資金は、BRIDGE NYを通じて過去に授与された12億3,000万ドルに上乗せされます20。ワシントン州では、キング郡の下水処理部門が、レントンの南処理場における8億ドルのインフラ改修プロジェクトにジェイコブズ・ソリューションズを選定し、プログラム管理とコンサルティング・サービスを担当することになりました21。南処理場は、シアトルを含むキング郡にサービスを提供する主要な処理場のひとつで、1日平均9,000万ガロン(1ガロン=約3.79L)の廃水を処理しています22

クリーンエネルギー&再生可能エネルギー

洋上風力エネルギー、開発が加速

マースク・オフショア・ウインド社は、同社初の風力発電設備船(Wind Installation Vessel)の導入が2025年になる予定であることを発表しました。新たに設計されたこの船は、洋上風力発電の設置時間を最大30%短縮し、設置コストの低減に貢献すると期待されています23。船舶の数が限られており、設置手順が複雑であることが多い、誕生間もない米国の洋上風力発電業界にとって、この進展はプラスにはたらくことが期待されます。米国海洋管理局(BOEM)は、マサチューセッツ州の2.6ギガワット(GW)ニューイングランド・ウィンド・プロジェクトと、ニュージャージー州の2.8GWアトランティック・ショアーズ・サウス・プロジェクトの2つの洋上風力発電プロジェクトを承認しました24。BOEMは、アバングリッド社が開発中のニューイングランド風力発電の建設・操業計画(COP)を承認しています。シェル・ニュー・エナジー社とEDFリニューアブルズ社が開発するニュージャージー州のプロジェクトは、環境審査過程で別の承認を得ました25。このプロジェクトは、次はCOP承認に向けて動き出すことができます。プロジェクトの遅延や中止など、数年間困難な状況が続いていた米国の洋上風力発電業界にとって、新たな前向きな一歩となるでしょう。

関連ETF

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2638 - グローバルX ロボティクス&AI-日本株式 ETF

223A - グローバルX AI&ビッグデータ ETF

2639 - グローバルX バイオ&メドテック-日本株式 ETF

BOTZ - グローバルX ロボット&AI・ETF

AIQ - グローバルX AI&ビッグデータ ETF

LIT - グローバルX リチウム&バッテリーテクノロジーETF

DTCR - グローバルX データセンターリート&デジタルインフラ ETF

RNRG - グローバルX 再生可能エネルギー ETF

CTEC - グローバルX クリーンテック ETF