グローバルX 米国キャッシュフローキング ETF(FLOW)のご紹介

2023年7月12日にGlobal Xは米国キャッシュフローキング ETF(FLOW)を上場しました。これにより、強固な収益性を示す米国企業のポートフォリオへのエクスポージャーを投資家に提供します。金利が上昇する現在のマクロ経済環境において、投資家は株式ポートフォリオのコア部分を再評価し、浮動株調整後の時価総額加重平均株価指数に連動する戦略に対する潜在的な優位性を得ようとしているかもしれません。フリーキャッシュフロー(FCF)は企業の戦略に柔軟性を与え、投資家に短・長期に渡ってリターンをもたらす可能性があるため、当指標を重要な収益指標として活用することは有効だと考えられます。

重要なポイント

  • 収益性の指標としてのフリーキャッシュフローは、企業の財務健全性と柔軟性への一定の見識を提供することができます。
  • フリーキャッシュフロー利回りに基づいて企業に投資する戦略は、ポートフォリオのファンダメンタルズにプラスの効果を与えるとされる他のファクターと、間接的につながっている可能性があります。
  • グローバルX 米国キャッシュフローキング ETF(FLOW)は、フリーキャッシュフロー利回りが最も高い米国籍企業に投資することで、株式ポートフォリオのコアにおいて差別化要因になり得るとGlobal Xは考えています。

フリーキャッシュフローは企業の収益性に有益な見識を提供できる

企業の収益性を測定する方法は複数あります。投資家は、企業の収益性を判断するために、純利益のような損益計算書の数値を利用することができます。しかし、キャッシュフロー計算書の方が、短期的・長期的な負債に対応するために企業がどれだけのキャッシュ(現金および現金同等物)を手元に持っているかを示すため、企業の財務的健全性の現状についてより深いレベルの知見を提供する可能性があります。

フリーキャッシュフローを通じた企業の柔軟性

高いキャッシュポジションを持つことで、企業経営陣は、株主のためにどのように価値を創造し続けるかということについて、さらなる柔軟性を持つことができます。そのうちのひとつの方法は、普通株式の買い戻し(自社株買い)や現金配当によって、株主利回りを向上させることです。それぞれの業界で積極的に市場シェアを拡大しようとする企業は、他企業の買収を検討する可能性があります。FF金利(フェデラル・ファンド・レート)が5.25%な中、現在の金利上昇局面では、フリーキャッシュフローが高水準の企業は事業を維持するための債券市場への依存度が低いため、金利リスクの影響も受けにくいと考えられます1

企業収益は会計操作の対象となる

当期純利益は、企業の利益に関する十分な見識を与える一方で、財務諸表作成過程で使用される会計測定による操作の対象となっている可能性があります。例えば、加速減価償却を用いれば、企業資産の耐用年数の初期段階でより大きな減価償却費を計上することできます。これを行うことによる最終目的は、短期的には収益を抑制し、減価償却費が減少する資産の耐用年数の後半に収益を拡大させることです。フリーキャッシュフローは、非現金支出を計算式から除外しているため、会計所得ベースの指標と比べると比較的保守的になっています。

フリーキャッシュフロー利回りと、適正価格のクオリティ(QAARP)の可能性

異なるセクターの企業のフリーキャッシュフローを比較する方法として、フリーキャッシュフロー利回りを利用する方法があります。この方法では、フリーキャッシュフローを浮動株調整後時価総額ではなく、全体の事業を評価する企業価値で割ることで、公平な競争条件を提供します。したがって、ビジネスモデルによってレバレッジのレベルが異なるセクター同士を比較することができます。例えば、公益事業セクターの企業は、エネルギー供給による将来の収益の予測可能性が高いため、通常、より大きなレバレッジを利用しています。

フリーキャッシュフロー利回りは、分析的洞察のためのツールになり得ます。フリーキャッシュフロー利回りが高い企業は、長期負債などの金融債務を支払うための流動性が高く、支払い能力が高い可能性があります。さらに、これらの企業は、他社と比較して魅力的に評価されている可能性もあります。

広範な米国の株式指数であるラッセル1000と比較すると、フリーキャッシュフローが高水準の企業は現在、収益性のもう一つのクオリティ・ファクターであるROE(株主資本利益率)がより高い水準を示しています。さらに、フリーキャッシュフロー利回りの高い企業は、グロース系の特徴である利益成長率が同じ広範な市場指数よりもはるかに高くなっています。その一方で、歴史的に低いPER(株価収益率)を記録してきたことから、バリュー系の特徴も持っているといえます。

FLOW:ポートフォリオのコアとなる米国フリーキャッシュフローETF

FLOWは、フリーキャッシュフロー利回りを主要なスクリーニング指標とするGlobal X U.S. Cash Flow Kings 100 Index(手数料・費用控除前)に連動することで、優良企業へのエクスポージャーを提供します。これによりFLOWは、Global Xブランドのインデックスに連動する4つ目のGlobal X ETFとなり、自社指数を通じて投資機会へのアクセスを提供するという、Global Xのコミットメントを実証することになります。

Mirae Asset U.S. 1000 Index以来のGlobal X指数は、FCFの計算が困難であったため、金融サービス企業をユニバースから除外しています。製造企業が資本を投下する場合、通常は設備などの固定資産を購入します。しかし、金融企業は従業員数やブランド認知などの無形資産に投資しているため、営業キャッシュフローはあまり参考になりません2。しかしながら、不動産投資信託(REIT)は金融セクターに分類されても、最終的な指数では考慮されます。

残りの企業のうち、最終的に100社の構成銘柄が選ばれ、フリーキャッシュフロー利回りでウェイト付けされます。個別銘柄のリスクを最小化するために、この指数には構成銘柄のウェイトキャップも導入しています。

  • セクター上限 = 25%
  • 個別構成銘柄上限= 2%

四半期ごとに再構成される指数に連動することで、グローバルX 米国キャッシュフローキング ETFは、フリーキャッシュフロー利回りの高い企業への一貫したエクスポージャーを維持することを目指します。

結論:フリーキャッシュフローは堅実な投資戦略となりうる

金利が上昇する環境の中、高水準のフリーキャッシュフローを示す企業は、自社株買いと現金配当によって株主価値を高める可能性があり、さらに、債券市場からキャッシュを調達する必要性が低い可能性があります。浮動株調整後時価総額加重型の指数に追随する戦略は、情報技術などボラティリティの高いセクターにオーバーウェイトすることで、より高いレベルの個別リスクにさらされる可能性があります。25bpという競争力の高い経費率で、グローバルX 米国キャッシュフローキングETFは、定義されたルールをもつ指数に連動することで、FCF利回りの高い企業への効率的なアクセスを提供します。

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