次のビッグテーマ:2020年10月

The Next Big Theme: Thematic Newsletter Global X ETFs

電気自動車

テスラ、「タブレス」構造導入へ

テスラの2020年度の年次株主総会と同日開催のバッテリーイベントにおいて、同社CEOのイーロン・マスク氏は、新しい「タブレス」構造のバッテリーの製造を開始する計画を発表しました。この新しいバッテリー構造は、これまでのバッテリーよりも大型で、効率性の向上が期待され、出力は6倍となり、走行距離は16%伸びるとされています。消費者にとっての注目点は、マスク氏によれば、これらのバッテリーによってキロワット時当たりのコストが14%削減される可能性があり、その結果、テスラ車の価格が同等の内燃機関(ICE)車の価格に近づくことです。また、テスラは、バッテリーとEVの垂直統合型メーカーとして、リチウム採掘事業への参入を計画しています。バッテリーグレードのリチウムは将来的に供給不足になるおそれがあるため、この取組みが同社の悲願であるEV生産能力拡大に向けての支えとなる可能性があります。1また、値ごろ感を追求するメーカーとして、テスラは、販売価格が25,000ドルとなる車を開発するという目標を公表しました。これが実現すれば、EVがマスマーケット向け自動車のセグメントでも競争することが可能になります。2

ゲノミクス

搭乗券を持って新型コロナの検査へ

乗客が安心して、また飛行機を利用することができるよう、一部の航空会社では出発前の新型コロナ検査の提供を始めました。この動きはユナイテッド航空に始まり、ハワイアン航空、ジェットブルー航空、アメリカン航空がそれに続きました。また、出発前の検査で陰性となった旅行者は、目的地での空港検疫措置の一部または全部が免除される可能性があります。3 ユナイテッド航空はサンフランシスコ‐ハワイ間の路線で出発前検査を導入しており、乗客は空港での当日検査に加え、出発の数日前に検体サンプルを郵送する方式を選択することもできます。検査費用は乗客負担となります。現在、空港での当日検査の費用は250ドル、郵送検査は80ドルとなっています。4

ロボティクス&eコマース

新しい同僚:ロボットと人間

自動運転フォークリフトやロボット駆動車のメーカーであるシーグリッド社は、シリコンバレーの投資家から5,200万ドルを調達することに成功しました。これらの投資家は、同社がウィズコロナの時代にも成長を続けることのできる態勢を整えたものとみています。eコマースの急増により効率的な物流施設の重要性が増大したことから、同社は業務を拡大する計画です。8月には、倉庫・保管セクターの雇用が最高記録となる122万人にのぼりました。5 こうした倉庫における雇用は、パンデミック期間中に失われた雇用を相殺する上で重要な役割を果たしています。

ロボティクス&人工知能

トヨタ、高齢者に助けの手を差し伸べる

トヨタの研究者は、機械学習を活用して家事手伝いをするロボットの最初の試作品を使った実験を行っています。清掃等の手伝いを行うこのロボットは、現在、カリフォルニア州ロスアルトスのトヨタ・リサーチ・インスティチュート の敷地内に設置されたモデルハウスに住んでいます。家の中のスペースを最大限に活用するために研究者が取っている方法には、天井にロボットを設置することなども含まれています。6 こうした家事の改善は、Googleが2016年に導入したスマートホームと同じニッチ分野における次のステップとみなされる可能性があります。トヨタは、この製品が高齢者の家事手伝いをするだけでなく、最終的には高齢者の話し相手となることを期待しています。自動車メーカーとしての専門知識を家庭や職場で役立つより先進的なロボティクスに活用することから、こうした期待が生まれています。

クラウドコンピューティング

記録破りとなったソフトウェア企業の上場

クラウドコンピューティング業界における新規株式公開(IPO)の波は依然として続いています。クラウドデータウェアハウジングの会社であるスノーフレーク(SNOW)は、先ごろ、ソフトウェア企業として過去最大となるIPOを行いました。120ドルでのIPO後、株価は300ドルまで急上昇(150%増)しました。同社は、このIPOで2,800万株を売却し34億ドル近くを調達しました。7 ゲーム開発者向けの有数のプラットフォームであるユニティ・ソフトウェア(U)は、一株当たり75ドルでNYSEに上場した後、株価が44%も高騰しました。8 タスク管理アプリであるAsana(ASAN)は、NYSEにおける参考株価である21ドルを上回る$27ドルでダイレクトリスティングを行いました。同様に、ビッグデータ解析の専門家であるPalantirの株式は、取引開始後約30分で参考株価を50%上回る水準まで上昇しました。9

医療&健康

体に良いテクノロジー

シンガポール政府は、先ごろ、アップル社と共同でLumiHealthと呼ばれる2年間の健康促進プログラムを立ち上げました。このプログラムは、国民の生活の質を向上させることを狙いとした、他に類を見ないものです。各個人向けにカスタマイズされたコーチングを含むこの自主的なアプリベースのプログラムでは、Apple Watchが参加者の行動を追跡し、健康的な活動や行動をした参加者はそれに応じた報酬が与えられます。このプログラムの期間中、参加者は最大380シンガポールドルを受け取ることができます。テクノロジーを活用した健康増進はシンガポール政府とアップルの両方における継続的なトレンドです。シンガポールは、新型コロナの根絶に向けた接触者追跡アプリを最も早くリリースした国です。また、アップルは、昨年、Apple Heart StudyアプリをStanford Medicineと共同開発しました。これは、Apple Watchを使って不規則な心臓の鼓動を発見するものです。10

パフォーマンス数値

下図は、投資テーマ(対応するETFに基づく)ごとのリターンおよび予想売上高成長率です。