次のビッグテーマ(グローバル):2026年8月

米国の電化

データセンターの電力需要がさらに拡大

最近の業界推計で、米国のデータセンター電力需要は従来の予測を大幅に上回るペースで拡大すると見込まれています。2035年にはデータセンターの電力需要が194GWに達すると見込まれており、わずか7か月前の予測のほぼ2倍となっています。データセンターが米国の電力消費に占める割合は、現在の約6%から2035年には20%に上昇すると予想されており、そのうち半分近くはAIの学習や推論処理による消費になるとみられています。また、こうした予測は、AIインフラの拡大において電力の確保が最大のボトルネックの一つとなっていることを改めて浮き彫りにしています。送電網への接続の遅れや変圧器不足、許認可上の課題などにより、新たなデータセンターの建設が遅延する可能性があります。送電網の拡張が順調に進むという楽観的なシナリオでも、2035年には米国で19GWの電力不足が生じる可能性があります。このため、AIによる次の成長局面を支えるために、発電、送電、および送電網の近代化、そして電力関連機器への投資がますます重要になると考えられます1。また、AIの普及が現在のペースで進んだ場合、世界のデータセンターによる新たな電力需要は2035年までに1,935TWhに達する可能性があり、これはインド全体の年間電力消費量にほぼ匹敵する規模です2

AI半導体

AI向けメモリーへの投資が加速

エヌビディアはSKグループと、複数年にわたる5,000億ドル(約80兆円)規模となりうる戦略的提携で合意しました。この提携により、同社はSKハイニックスから次世代の高帯域幅メモリー(HBM)を長期的に調達するとともに、先端AIメモリー技術の共同開発やHBMの生産拡大、そして2027年の稼働開始を目指しているAIファクトリーの建設などを進めます3。また、サムスン電子とブロードコムは、次世代AIインフラを支えるメモリーおよびファウンドリー技術について、推定2,000億ドル(約32兆円)規模の協業を発表しました4。これらの発表は、HBMがAI半導体のサプライチェーンにおける最も重要な部品の一つになっていることを示しており、その需要はGPUだけにとどまらず、GPUにデータを供給するために必要となるメモリーにも広がっています。AIモデルが大きくなり必要となる計算量が増える中、安定したHBMの供給を確保することが競争力を左右する重要な要素として浮上しつつあり、AI半導体エコシステム全体にわたる持続的な投資を促す可能性があります。

防衛テクノロジー

海上ドローンが実戦投入され、軍事分野でのドローン活用が加速

米軍は初めて海上ドローンを実戦で使用し、米サロニックの「Corsair」無人水上艇3隻で、ホルムズ海峡付近の潜水艦・艦艇整備施設を攻撃しました。今回の作戦は、民間企業が開発した低コストの海上ドローンでも、人員のリスクを抑えながら重要な海軍任務を遂行できることを示すものです。また、米軍は撃墜された米軍パイロットの救助にも同じCorsairを使用しており、こうしたシステムが支援任務から前線での戦闘任務まで迅速に活用できることも明らかになっています5。一方、米軍は米エアロバイロンメントに対し、対ドローン能力の提供に向けて、3年間で5億ドル(約800億円)規模の契約を発注しました。今回の契約によって、スイッチブレード徘徊型弾薬で知られるエアロバイロンメントの役割がさらに拡大することになります。エアロバイロンメントは、BlueHalo(ブルーハロ)の買収で得た技術・資産を含む、幅広い対ドローン技術群を活用し、小型の民生用ドローンから大型の攻撃用ドローンまで、様々な脅威に対応する多層的な防御システムを提供する予定です6

米国インフラ

インフラ近代化の動きが新たな政府投資を促す

米国運輸省は、全米50州、ワシントンD.C.および米国領における127件のインフラ整備プロジェクトを対象として、総額17.3億ドル(約2,800億円)のBUILD補助金を拠出すると発表しました。資金の約77%は道路・橋梁に充てられ、そのほかにも貨物鉄道、港湾・海上インフラ、航空、複数の交通手段を組み合わせた交通プロジェクト(マルチモーダル輸送プロジェクト)などに投資されます。これらのプロジェクトは、交通の安全性向上や渋滞緩和、サプライチェーンの強化を目的としています。こうした幅広い投資は、老朽化が進む米国の交通インフラを近代化するとともに、経済成長、国内製造業、長期的なインフラの強靭化を支えるものです。プロジェクトの進展に伴い、建設活動が活発化し、エンジニアリングサービス、建設機械、骨材、鉄鋼、セメントなどの産業資材への需要が高まることが期待されます7。今回の資金は2021年に成立したインフラ投資・雇用法(IIJA)に基づいており、同法では米国のインフラ整備に約1.2兆ドル(約190兆円)を割り当てています。2026年5月時点で、運輸省はIIJAに基づき約5,100億ドル(約81兆円)の補助金を発表しており、予算権限総額の72%にあたる3,920億ドル(約62兆円)がすでに拠出対象として確定しています8

人工知能(AI)

アリババの新モデルが「オープンウェイトAI」の広がりを示す

アリババは、これまでで最大かつ最も高性能なAIモデルとなる「Qwen3.8-Max」を発表しました。2.4兆のパラメータを持つ同モデルは、コーディング、リサーチ、マルチモーダル推論、長期的なタスクの実行など、企業向けの用途を想定しています。アリババは、このモデルのウェイト(モデルの学習済みパラメータ)を公開し、開発者が自社のインフラ上でモデルを実行・カスタマイズ・展開できるようにする予定です。今回の発表は、世界で最も広く採用されているオープンモデルのエコシステムの一つへと成長したQwenシリーズの、さらなる展開となります9。より広い視点では、オープンウェイトモデルの性能向上が続くことでAI導入のハードルが下がり、さまざまな産業でAIの活用が広がることが期待されます。同時に、次世代のAIアプリケーションやAIを活用したソフトウェアの開発も加速すると考えられます。

自動運転

アマゾン傘下ズークスが有料運行を開始、ロボタクシー普及を後押し

アマゾン傘下のズークス(Zoox)は、同社が開発したロボタクシーについて、乗客から運賃を徴収して運行するための米国政府の承認を取得しました。これによりズークスは、ハンドルやアクセル・ブレーキペダルを備えない完全自動運転車を米国で運行できる初の企業となります。今回の承認により、ズークスは今後2年間で年間最大2,500台のロボタクシーを展開できるようになり、まずラスベガスで有料サービスを開始した後、他地域へ拡大する予定です。既存の車両を改造して自動運転車にしている競合企業とは異なり、ズークスの双方向走行型の電動ロボタクシーは自動運転専用車両としてゼロから設計・開発されています10。今回のサービス開始は、自動運転による移動サービスの商用化に向けた新たな一歩です。規制当局による承認、AIの能力向上、ハードウェアコストの低下が重なることで、今後さらに普及が進む可能性があります。ロボタクシーの普及に伴い、AI半導体、LiDARセンサー、カメラ、ソフトウェア、通信、高性能コンピューティングなど、自動運転のバリューチェーン全体にわたって需要が拡大すると期待されます。これは、次世代モビリティ分野における長期的な成長機会を裏付けるものとなります。

関連ETF

関連商品へのリンク先はこちら:

ZAP – グローバルX 米国電力革命 ETF

URA – グローバルX ウラニウム ETF

224A – グローバルX ウラニウムビジネス ETF

DTCR – グローバルX データセンターリート&デジタルインフラ ETF

2243 – グローバルX 半導体 ETF

2644 – グローバルX 半導体関連-日本株式 ETF

282A – グローバルX 半導体・トップ10-日本株式 ETF

AIQ – グローバルX AI&ビッグデータ ETF

223A – グローバルX AI&ビッグデータ ETF

178A – グローバルX 革新的優良企業 ETF

SHLD – グローバルX 防衛テック ETF

466A – グローバルX 防衛テック ETF

PAVE – グローバルX 米国インフラ関連 ETF

380A – グローバルX チャイナテック ETF

404A – グローバルX チャイナテック・トップ10 ETF

DRIV – グローバルX 自動運転&EV ETF

2867 – グローバルX 自動運転&EV ETF