なぜマルチテーマ投資?なぜGXDW?

今は破壊的イノベーションの黄金時代であり、構造変化を捉えてリターンを上げようとする投資家にとって成長テーマ型投資は不可欠なツールとなっています。成長テーマ型戦略は、その設計上、長期的な変化を対象としていますが、そのパフォーマンスは多くの場合、インフレや財政政策、資本サイクル、金利、在庫サイクル、さらには地政学も含めたマクロ経済的要因によって左右されます。これらの要因は構造的トレンドの方向性を変えることはないかもしれませんが、成長テーマ型戦略の短期的な方向性を決定付けることがよくあります。

マルチテーマETFは、見込みのある複数のトレンドを1つの戦略にまとめることで、テーマ型投資を簡素化しようとするものです。もっとも、テーマ構築アプローチが成功するには、売上高成長率といった過去のデータに基づく指標や利益予想のみに頼らずに真の破壊的なイノベーションを起こす銘柄を特定する必要があると考えています。また、市場の方向性に適応する柔軟性を持ち合わせない新たな革新テーマの分散バスケットは自滅的で、勝ち組と負け組とが相殺し合い、最終的にパフォーマンスが低下する可能性があります。

マルチテーマ型ソリューションを構築するには、より動的なアプローチが必要であるとグローバルXは考えています。つまり、テーマが勢いを増すにつれて市場を牽引する新たな銘柄を取り入れるアプローチです。また、グローバルXではモメンタム指標は、売買のタイミングとテーマの確信度を調整する規律ある枠組みを提供するとも考えています。そのため、この度、マルチテーマETFのグローバルX マルチテーマ成長株 ETF(以前はGXTGのティッカー名で取引)の株価連動指数をNasdaq Dorsey Wright Thematic Rotation TM Total Return Indexに変更し、ティッカーをGXDWに変更しました。同指数は、Dorsey Wrightが独自に開発したRelative Strength手法を活用し、グローバルXのテーマ型ETFユニバースの中でモメンタムが最も強い5つの成長テーマに動的にローテーションすることで、複数の成長テーマに単一の投資を通じてより機敏にアクセスできる手段を投資家の皆様に提供します。

重要なポイント

  • 破壊的イノベーションは加速しており、投資家が機敏に動き、迅速に適応するには、テーマ型投資が不可欠なツールとなっています。
  • マルチテーマ戦略は単一の戦略の中で成長テーマ型投資の力を発揮しますが、破壊的イノベーションの可能性と市場の現実とのバランスをとるように進化する必要があります。
  • 利益予想または過去のデータに基づいた売上高成長率といった指標よりも、モメンタムがより強い成長テーマへのローテーションの方がマルチテーマ構築のソリューションとして効果的であると言えます。

唯一変わらないのは変化である

現代の経済の特徴は破壊的イノベーションが加速していることです。テクノロジー、人口構成の変化、資源不足、そして脱グローバル化のような新たな要因が産業全体を大きく変える一方で、新たな投資機会を創出しています。最も重要な点は、こうした構造的な変化が、その影響を増幅する形で収れんしつつあることです。AIが医療や金融サービス、さらにはメディアなどのセクターを大きく変えようとしており、エネルギーとテクノロジーが衝突しています。デジタルと物理的な世界が融合しつつあることが(AIの)普及を加速させ、企業に投資の見直しを迫っています。イノベーションは直線的に進んできたわけではありませんが、今日の規模とスピードは過去に例がありません。

成長テーマ型投資はこういった変化を取り込んだ戦略的アプローチを提供し、未来を決定する可能性がある高成長トレンドを特定します。成長テーマ型投資は、理想的には地理的境界、スタイル・バイアス、伝統的なセクター別限度を考慮することなくイノベーションに投資するアンコンストレインド・アプローチに従います。また、企業の時価総額や規模は制約要因にはなりません。この幅広いアンコンストレインド・アプローチをとることにより、最も急拡大し、最速で普及しているテクノロジーへのエクスポージャーを獲得することができます。

グローバルXは過去15年間、こういった強力な成長テーマのいくつかを特定し、ターゲットを絞ったETFを開発することにより、破壊的イノベーションの恩恵を受ける企業への効率的なアクセスを投資家の皆様に提供してきました。直近リリースしたGlobal X U.S. Electrification ETF (ZAP)Global X Infrastructure Development ex-U.S. ETF (IPAV)、およびグローバルX 防衛テック ETF (SHLD)を加えると、確信度が高く、投資可能な長期テーマを対象とした32の米国ETFをグローバルXは用意しています1。業界レベルでは、米国上場テーマ型ETFの運用資産は2024年12月時点で約900億ドルと、過去5年間で5倍近くになっており、テーマ型戦略の役割が拡大していることを示しています2

しかし、グローバルXだけでも30以上の成熟したテーマが認識され、全米では約280のテーマ型ETFが投資家に提供されています。これに他のテーマ型ソリューションを加えると、適切なタイミングで適切なテーマを選択することはますます困難な作業になっています3

テーマ選択の簡素化

マルチテーマETFは、複数の高成長トレンドへのエクスポージャーを一度の投資の中で提供するため、過密化するテーマの中から選択する難しさを回避することができます。マルチテーマETFの分散化構造は、テーマの選択を単純化するだけでなく、特定の地域やセクター、時価総額の集中リスクを軽減することもできます。しかし、これらのETFの有効性は、結局のところ、どのように構築されるかにかかっています。

多くのマルチテーマETFの主な弱点は、テーマを選択する際に、売上高成長率や利益などの過去のデータに基づいた指標に依存していることだとグローバルXでは考えています。これらのファンダメンタルズは、長期的な見通しに関する情報を提供するとしても、市場動向やマクロ経済的要因の変化を取り込むことはできません。さらに、売上高や利益の伸びに関するデータは通常、四半期または半年ごとに発表されますが、市場はそれよりはるかに迅速に反応します。この遅れのため、マルチテーマETFは短期的な逆風に直面しているテーマのエクスポージャーを保有したままの状態となり、パフォーマンスを損なう可能性があります。

すべてのテーマが平等に創られているわけではない

大きな推定市場規模を念頭に置いて多くのテーマは設計されていますが、金利や財政政策、金融政策、規制、インフレ、さらには消費者行動の変化などのマクロ経済要因がテーマ別トレンドの短期見通しに大きな影響を及ぼし、そのモメンタムを増幅または減衰させる可能性があります。

例えば、電気自動車やクリーン・テクノロジーのようなテーマは、実現するために多額の資本を必要とする可能性があります。つまり、金利水準が高い時期にはイノベーションの資金調達コストが上昇するため、パフォーマンスが低下する可能性があります。同様に、大規模なインフラ投資に依存するAIやデータセンターのようなテーマでは、初期の段階では現存の技術やコンピューティングの面で優位に立つ、十分な資本を備えた既存企業が好まれる傾向があります。リチウムなどのコモディティ関連テーマは、在庫サイクルやコモディティ価格の変動に非常に敏感です。ウランや原子力などのテーマは、許認可サイクルや規制要因によって制約を受ける可能性があります。

さらに、テーマは一般的に、S字型の普及曲線でしばしば定義される明確な普及サイクルを通じて進展します4。普及の初期段階では実験的かつ懐疑的な傾向がある一方、後の段階では統合が広範囲にわたって進む一方で飽和リスクが生じます。結果として、テーマの足元のポジショニングを評価する際には、その破壊的イノベーションの可能性や直近のファンダメンタルズの推移を認識する必要があるだけでなく、市場の状況とタイミングに関する深い理解と認識が求められます。

投資にあたっては、よく吟味し、イノベーションを推進するだけでなくマクロ経済の好ましい追い風を受けている成長テーマを優先すべきです。グローバルXの見解では、これらの要因を考慮しないマルチテーマETFは長期的なパフォーマンスを損なうリスクがあります。

イノベーションと市場の現実とのバランス

市場は常に適応し、新しい現実を価格に織り込みます。グローバルXの考えでは、実際、適切に構築されたマルチテーマ・ソリューションは、どのテーマが他のテーマと比較して優れたパフォーマンスを発揮しそうかを把握するために市場の動きを活用しています。

調査によると、市場が新たな高みに向かっているときに投資するのが効果的な長期戦略です。なぜなら、市場の強さはアウトパフォーマンスの可能性を示唆することが多いからです5。成功するテーマは勝ち続ける傾向があり、資本の流入やさらなる普及、見通しの改善によって一層恩恵を受けます6

さらに、市場モメンタムに基づく戦略は、より強力なテーマに体系的にローテーションし、相対的にアンダーパフォームしているテーマへのエクスポージャーを減らすことで、パフォーマンスの低い戦略から資金を引き揚げ、市場の下落時でもポートフォリオが底堅さを保つのに役立つ可能性があります。これが、乱高下が珍しくないマルチテーマETFソリューションの長期的な成功の鍵です。

モメンタムを中核とするマルチテーマ・ソリューション

最終的には、優れたマルチテーマ・ソリューションは、破壊的イノベーションの可能性と現実の市場要因とのバランスを取る必要があります。この枠組みを念頭に置いて、市場のモメンタムをテーマ選択の中心に据えたマルチテーマ型戦略のコンセプトとしてグローバルX マルチテーマ成長株 ETF (GXDW)の指数を移行しました。

GXDWの仕組み

GXDWは、Nasdaq Dorsey Wright Thematic Rotation Total Return Index(NDWTR)に連動します。NDWTRは、市場で相対的に最も強いモメンタムを示す5つのテーマ型ETFを選択します。NDWTRに組み入れられるためには、グローバルXが運用する米国ETFで構造的に破壊的イノベーションの性質を有する特定のテーマに焦点を当てているか、または特定のテーマを大幅にオーバーウェイトとしている必要があります。現在、開始時点のユニバースは27のETFで構成されています7

このインデックスを構築するために、NASDAQ Dorsey Wrightは、独自に開発したNasdaq Dorsey Wright Relative Strength Matrix手法を用いて、相対的な価格モメンタムに基づき、当初のユニバース内のETFをランク付けします。Nasdaq Dorsey Wrightは、ポイント・アンド・フィギュアのチャートを用いて需給トレンドを記録し、重要でないトレンドや短期的な市場ノイズをふるい落とし、原ETFの長期的な値動きの把握に焦点を当てます。モメンタムが最も強い上位5つのETFがこのインデックスに組み入れられ、アウトパフォームしそうな成長テーマに連動します。

メソドロジー(選定プロセス)の主なポイント

  • 開始時点のユニバース:開始時点のユニバースは、グローバルXが運用する米国ETFで特定のテーマを対象とするか、または特定のテーマを大幅にオーバーウェイトしている27の成長テーマ型ETFで構成されます。
  • モメンタムに注目した選択:Nasdaq Dorsey Wrightの方法論は、開始時点のユニバースに含まれる各ETFについて相対的な強さのランク付けをし、ランクがトップ5のETFを特定してインデックスに最終的に含めます。
  • 均等なウェイト付け:選択されたETFは当初、均等なウェイトを与えられることにより、最も有望とみられるテーマ群へのバランスのとれたエクスポージャーを提供します。
  • リバランスと再構成:このインデックスは毎月評価され、テーマが追加または削除された場合にのみウェイトの調整を実施することとし、頻繁に入れ替わることなくトレンドが発展することを目指しています。

モメンタムは、投資において長年の実績があるファクターです。GXDWは、短期的な変動を排除し、市場の持続的な強さに焦点を当てることにより、長期的にアウトパフォームする可能性のある高成長テーマへのエクスポージャーを投資家の皆様に提供します。

結論:GXDWはモメンタムを活用したマルチテーマ・ソリューション

テーマ型投資は、経済を再形成する構造変化を取り込むための強力な方法を提供しますが、成功の可否は適切な時期に適切なテーマを特定することにかかっています。グローバルX マルチテーマ成長株 ETF (GXDW)は、破壊的イノベーションの最も有望なトレンドを動的に捉えるためにモメンタムに基づくアプローチをとり、投資家の皆様と長期的な成長ドライバーとを結びつけることを目指しています。持続的な市場モメンタムに焦点を当てることによって、この戦略は投資家の皆様が成長テーマ型投資の複雑さに立ち向かうのを支援し、次の変革的成長の波から利益を上げるための規律あるデータ主導の道筋を提供します。

関連ETF

GXDW – グローバルX マルチテーマ成長株 ETF