次のビッグテーマ(グローバル):2026年7月

宇宙テック

大手企業間で宇宙開発競争が加速

スペースXの歴史的なIPOは、宇宙産業がニッチな市場から、戦略的に重要な成長分野へと急速に進化していることを市場に強く印象付けました。スペースXは再利用可能ロケットで世界をリードする企業として知られていますが、スターリンクは毎年数十億ドル規模の安定した収益(継続収益)を生み出しており、衛星インターネットサービスが大規模なビジネスとして成立することを証明しています1。一方、ロケット・ラボは衛星通信大手のイリジウムを80億ドル(約1.3兆円)で買収することで合意しました。この買収により、ロケット・ラボはロケット打ち上げ企業から、打ち上げサービス、宇宙機の製造、さらに世界規模の通信ネットワークを備えた垂直統合型の宇宙企業へと大きく変貌すると考えられます。また、この買収によってロケット・ラボは、イリジウムが保有するLバンド衛星通信ネットワークや通信周波数(ライセンス)、政府向けの契約の他、数百万人規模の契約者基盤を獲得することになります2。そして、アマゾンも低軌道(LEO)衛星の商用サービス開始の準備を着実に進めています。同社は年内の低軌道ブロードバンドサービス開始に必要な衛星打ち上げを完了し、スターリンクに対抗するうえでこれまでで最大の節目を迎えました。サービス開始当初は提供エリアが限定されますが、今後の衛星打ち上げに伴い、順次サービスエリアを拡大していく計画です3

データセンター

中国、全国規模のAIデータセンター整備に向けた大型計画を準備

中国は今後5年間にわたりAIデータセンタープロジェクトに約2,950億ドル(約48兆円)を投資する計画で、本プロジェクトは世界最大級のAIインフラ投資となる見込みです。投資額自体は、メタやマイクロソフト、アマゾン、アルファベットなど米国の大手テック企業が2026年だけでAI分野に投じる計約7,250億ドル(約118兆円)と比べると小規模ですが、投資額だけで両国を単純に比較することはできません。中国では、人件費や部材コストが比較的低いうえ、地方政府による支援策も手厚く、データセンターの建設コストは米国より低く抑えられる傾向があります。そのため、投資1ドル当たりで整備できる設備容量は、投資額の数字から受ける印象以上に大きくなる可能性があります4。重要なのは、米国と中国がそれぞれ異なるAIエコシステムを構築しつつある点です。今後、この二極化はさらに鮮明になり、AI市場全体の競争と成長を後押しする可能性があります。

米国インフラ

製造業のモメンタムがインフラ投資サイクルを下支え

米国の製造業は6月も拡大基調を維持し、ISM製造業景況指数(PMI)は53.3となりました。景況感の分岐点となる50を6か月連続で上回り、5月の54.0からはやや低下したものの、引き続き堅調な拡大が続いています。新規受注指数は56.0と高水準を維持し、生産活動も拡大基調を保ちました。また、顧客在庫は引き続き低水準にあり、メーカーが今後も一定の生産水準を維持する必要性を示唆しています。雇用指数は依然として50を下回ったものの改善傾向が見られ、エネルギー価格の落ち着きを背景に価格上昇圧力も5月から和らぎました。地政学リスクや関税への懸念が企業心理の重しとなる一方、調査回答企業からは、防衛、半導体、産業機械関連を中心に堅調な需要が続いているとの声がありました5。米国インフラ投資の観点から見ると、6月のデータは米国の産業基盤の底堅さを改めて示す内容であり、製造業の国内回帰(リショアリング)や設備投資の拡大といった中長期的なトレンドを裏付ける結果となりました。工場稼働の持続は、先端産業の長期的な成長を支えるために米国が製造能力の拡大を進める中、産業施設や電力インフラ、輸送ネットワーク、サプライチェーンの近代化に対する需要を引き続き押し上げると考えられます。

米国の電化

連邦政府の支援が原子力サプライチェーンを強化

米エネルギー省(DOE)は、国内の原子力サプライチェーンと安定的な電力供給の強化に向け、エネルギー・ドミナンス・ファイナンス局を通じて175億ドル(約3兆円)の条件付き融資コミットメントを発表しました。本イニシアチブは、最大5か所のプロジェクト拠点でウェスチングハウス製のAP1000原子炉合計10基の建設を加速することを目的としています。融資の対象は原子炉本体の建設ではなく、原子炉圧力容器や蒸気発生器、冷却材ポンプなど、工期遅延やコスト増加の要因となりやすい長納期部材の調達です。DOEは、一括調達と早期製造を進めることで、建設期間を最大3年短縮し、プロジェクトコストの削減に加え、重要な原子力機器の国内製造基盤の再構築につながると見込んでいます。また、各プロジェクトでは連邦資金を受ける前提として10億ドル(約1,600億円)の民間エクイティ投資が求められており、官民双方の利害を一致させる仕組みとなっています。本イニシアチブは、2030年までに大型原子炉10基を建設中の状態とし、約11ギガワットの信頼性の高いベースロード電源を新たに確保するという政権目標を後押しするものです。こうした原子力発電能力の拡大は、エネルギー安全保障の強化に加え、産業活動の拡大やAIの普及に伴って増加するデータセンター向け電力需要への対応にも繋がると期待されます6

ヘルステック

アンソロピック、ライフサイエンス分野へ過去最大規模の取り組み

アンソロピックは、研究者による創薬やバイオデータ解析、科学研究ワークフローの効率化を支援する専門AIプラットフォーム「Claude Science(クロード・サイエンス)」を発表しました。同社はさらに、多くのAIベンダーには見られない取り組みとして、顧みられにくい疾患(ネグレクテッド・ディジーズ)の治療薬開発に取り組む社内創薬プログラムも開始しました。テクノロジー技術の提供にとどまらず、自ら創薬にも取り組むことで、実際の研究現場で得られた知見を技術開発へ反映させる狙いがあります。この動きは、ヘルスケアAI市場における大きな潮流を反映しています。AIベンダー各社は汎用モデルの提供にとどまらず、タンパク質解析や文献レビュー、計算生物学などに特化した専門ツールの開発を進めています。また、アンソロピックは研究データの安全性や研究結果の再現性にも配慮し、監査可能な設計や研究機関内で安全に運用できる仕組みを提供しています。AIは創薬候補の探索や新たな科学的知見の発見を加速させることで、創薬の初期段階の効率化を支える重要な基盤技術となっています7。臨床試験や規制当局による審査は引き続き不可欠ですが、AIはバイオ医薬品の研究開発全体を支える中核技術として、その存在感を一段と高めています。

クリーンテック

太陽光、米国のクリーンエネルギー整備を牽引

米国エネルギー情報局(EIA)は、この夏の大規模太陽光発電による発電量が前年同期比19%増加すると予測しています。背景には、太陽光発電設備容量が約20%拡大したことがあります。今年の米国の夏は平年より高温となる見通しで、冷房需要の増加を背景に電力消費も前年比3%増加すると予想されています。しかし、その需要増のほぼすべてを再生可能エネルギーで賄う見込みであり、化石燃料への依存度はさらに低下するとみられています。こうした見通しは、太陽光発電が米国の新たな電源の中核を担いつつあることを示しています。EIAは、風力発電も10%増加するほか、水力および原子力発電も小幅に増加すると予測しています。一方、石炭火力発電は、天然ガス価格の低下やクリーンエネルギーへの構造的な移行を背景に、引き続き減少する見込みです。この見通しは、経済成長や電化、AIの普及に伴うデータセンター向け電力需要の拡大に対応するうえで、再生可能エネルギーが最も低コストかつ迅速に導入できる電源の一つとなりつつあることを改めて示しています8

関連ETF

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610A – グローバルX 宇宙テック・トップ10 ETF(除く日本)

DTCR – グローバルX データセンターリート&デジタルインフラ ETF

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223A – グローバルX AI&ビッグデータ ETF

178A – グローバルX 革新的優良企業 ETF

PAVE – グローバルX 米国インフラ関連 ETF

URA – グローバルX ウラニウム ETF

224A – グローバルX ウラニウムビジネス ETF

ZAP – グローバルX 米国電力革命 ETF

HEAL – グローバルX ヘルステック ETF

CTEC – グローバルX クリーンテック ETF