次のビッグテーマ:2020年12月

The Next Big Theme: Thematic Newsletter Global X ETFs

ビデオゲーム&eスポーツ

フットボール界のレジェンド、マッデンNFLに挑戦

ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)は今年のプロボウルが予定されていたラスベガスのアレジアント・スタジアムではなくバーチャルな形で行うことを発表しました。バーチャルゲーム「マッデンNFL 21」で選手たちが試合を行うというこのイベントは、1週間開催される予定で、多くの有名人やフットボール界のレジェンドたちが参加します。NFLはこのデジタルイノベーションにより若い観客を惹きつけると同時に、COVID-19の感染リスクを軽減しようと考えています。このイベントが成功すれば、マッデンNFLはただのビデオゲームからインタラクティブなeスポーツプラットフォームとしてその名を刻むでしょう。世界で行われている多くのeスポーツイベントと同じように、このイベントも光学技術などの特性を用いて実世界のスタジアム環境を再現し、対面型の試合をシミュレートする目的があります。 1 米国ではビデオゲームの個人消費が2020年第3四半期で前年比24%増の112億ドルにも上っており、こうしたイベントがビデオゲーム業界の成長を長期的に促進することが見込まれます。 2

フィンテック

BNPL(後払い方式)で罪悪感のないショッピング

Afterpay、Quadpay、Klarna、Affirmなど数少ない企業が、すぐに支払をせずに商品の購入を望む消費者向けのバーティカル・フィンテック(専門性の高いフィンテック)を提供し始めています。この「今買って、あとで支払う(BNPL)」という後払い方式により、高額商品を購入してもその25%のみを最初に支払うだけで済むようになり、消費者にとっては魅力的で買い物がしやすくなります。ある調査によると、22~44歳の購入者の87%が柔軟な月賦払いで高額な買い物をすることに関心を持っていることが明らかになっています。 3 また、信用度が低いかゼロとなっている者にとってもBNPLは有効な選択肢です。BNPLは購入者に分割払いの利息を求めず、このシステムを利用する大手小売業者が手数料を払うようになっています。BNPL企業が支払延滞金を求めることも時にはありますが、支払プランを柔軟に選べることは消費者にとって有利なものです。 4 BNPL業界のパイオニアであるAfterpayは、55,000店舗以上のブランドをそのプラットフォームに有しており、前述した企業の中で唯一上場している会社で、9月期四半期の売上高は前期比112%増を達成しています。 5 BNPL企業の新規株式公開(IPO)については、サンフランシスコに拠点を置く会社Affirmが最近IPO目論見書を提出しており、年末までに公開する予定となっています。 6

大麻

有権者、大麻投票にGOサイン

大統領選挙日と同時に実施された住民投票により、成人による医療/嗜好目的の大麻利用・流通の合法化がいくつかの州で承認されました。大麻の合法化は複数の政党の間で圧倒的な支持を得ており、ミシシッピ州は医療用大麻の合法化、アリゾナ州、モンタナ州、ニュージャージー州は成人による嗜好用大麻の合法化を承認しています。 7
また、サウスダコタ州では医療用大麻と嗜好用大麻の合法化が同時に承認されました。2種類の大麻利用が同時に承認されたのは米国初であり、今後は同様のアプローチを採用する州が出てくると思われます。10年前、嗜好用大麻は米国全土で禁止されていましたが、今回の住民投票の結果により全国的に大麻の取り締まりが緩和されていくことになるでしょう。今回の投票の結果、米国民の33%が州レベルで合法化された大麻を成人の嗜好目的で利用できるようになり、また全ての州の70%が合法化された大麻を医療目的で利用できるようになります。 8

ソーシャルメディア

Snapchat(スナップチャット)、トップクリエイターにSpotlight(スポットライト)をあてる

Tik Tok(ティックトック)は新機能「Spotlight」をもつSnapchatをかつてない強力なライバルとみています。Snap社は、Spotlightに動画を投稿したトップクリエイターに毎日100万ドルを分配すると宣言しています。 9 この戦略は、Snapchatにとって、Instagram、YouTube、そして娯楽動画で急速に人気が高まっているTikTokに対抗するための手段となります。Snapchatのプライベートな側面はユーザーをプラットフォームに惹きつける要因となっていましたが、収益化や双方向性の拡大が課題となっていました。Spotlight機能はクリエイターにプライベートの選択肢を与えることでこの矛盾に対応しています。 10 現在、Spotlightは米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、英国、アイルランド、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、フランスで販売されており、全てのユーザーは海外または国内で動画の投稿や閲覧が可能となっています。各動画は少なくとも100人の視聴者を確保することになり、コンテンツアルゴリズムにより動画のエンゲージメントを高めていきます。Snapchatはこの新機能により、3DフィルターやVRツールなどの既存の機能でも利用者が増えることを期待しています。 11

ゲノミクス

遺伝子操作による癌治療

脳腫瘍および卵巣癌を対象とした癌治療に新たな進展が見られました。イスラエルのテルアビブ大学の研究者が脂質ナノ粒子ベースの送達に関するCRISPR/Cas9システムを実施しました。遺伝子操作によって、伝達役のRNAは病的細胞のDNAを切断する酵素であるCas9をコード化します。研究者らは急速に増殖するグリア芽腫と転移性卵巣癌を対象にこのシステムの試験を行いました。CRISPRシステムを用いることによりグリア芽腫のマウスの平均余命が30%、転移性卵巣癌のマウスの平均余命が80%伸びることが明らかになりました。 13 この研究により、CRISPR/Cas9の効果永続性および副作用欠如の点で効果的であることが実証されました。

eコマース

eコマースの成長基調が続く

2020年第3四半期の米小売売上高は前期比12%増、前年比36.7%増の1兆4,689億ドルとなりました。そのうち14.3%はeコマースによるものです。14
eコマースは小規模事業にとっても有益であり、ブラックフライデーの週末および早期休暇シーズンの間にオンライン売上高は110%増を記録しました。 15 一方、COVID-19により小規模事業の約23%が廃業となりました。 16 個人や小規模事業向けオンライン販売のプラットフォームを運営するShopifyとEtsyは、ブラックフライデーの週末にそれぞれ前年比75%増と108%増の収益を計上しました。 17 2020年11月~12月までのeコマースの推定累積売上高はパンデミックが起因して前年同期比30%増となりました。 18

パフォーマンス数値

下図は、投資テーマ(対応するETFに基づく)ごとのリターンおよび予想売上高成長率です。