独立した長期投資先としてのインド市場

インドは、魅力的な人口動態、市場との調和を重視したガバナンス、他とは異なるリスク・リターン特性という点で、有望な投資先だと考えられます。

重要なポイント

  • 分散効果:MSCIインド指数は、新興市場株式および先進国株式と低い相関を示しています。
  • 構造的成長の優位性:インドは、市場に配慮したガバナンス、「チャイナプラスワン」(投資や生産において、中国への依存度を減らすために他国に分散させる傾向)から恩恵を受ける立場、若年人口の割合の高さ、国際貿易関係の拡大が続いているという点で、他の多くの新興国よりも優位にあると見られます。
  • 優れたパフォーマンス:過去3年間および過去5年間におけるインドの株式市場のリスク調整後リターンは、新興市場および米国市場の両方を上回っています。

分散の重要性:インドのエクスポージャーは他の新興国市場や先進国市場との相関が低い

  • 国内主導の市場:MSCIインド指数は、より広範なMSCIエマージング・マーケット・インデックスとの相関が低く、これに対するベータは約0.5、S&P500に基づく米国株式との相関は0.2未満です1
  • 金価格の追い風:インドでは文化的に金に対する需要が強く、農村部の富は金に支えられているため、金価格が高いことはインドの株式市場にとって通常、プラス材料となります。
  • 米ドルの影響:米ドル安のトレンドは、インドでは資本フローの改善、輸入コストの低下、ルピー建て資産の値上がりにつながるため、一般的に追い風となります。
  • 石油の純輸入国:インドは石油消費の90%近くを輸入しているため、原油価格の下落は経常赤字の縮小とインフレの緩和につながります2

新興国の中で最も魅力的:新興国の不安定なマクロ経済や地政学リスクを警戒する投資家にとって、インドは資金アロケーション先として際立つ

  • マーケットフレンドリーな政府:モディ首相率いるインド人民党は、インフラ、デジタル化、設備投資主導の成長を引き続き優先課題にしています3
  • 人口動態:インドは最近、中国を抜いて世界で最も人口の多い国になりました。総人口、若者人口とも世界最多になり、35歳未満の人口が全体の65%を占めています4
  • チャイナプラスワンの勝ち組:企業がサプライチェーンの分散を図る中で、製造業への対内直接投資(FDI)は増加傾向をたどっています。例えばアップルは現在、iPhoneの約20%をインドで生産しています5
  • 戦略的なグローバル貿易パートナー:最近はトランプ政権との貿易交渉の真っただ中にあるものの、インドは安価でありながら能力と教育水準の高い世界の製造拠点という点で強い影響力を持っていると考えられます。インドと英国との最近の自由貿易協定は大きな意義があり、米国との最終的な妥結についてもグローバルXでは楽観視しています。

収益性の高い成長:インドは世界の主要経済国で最も急速な成長を続ける見込み6

  • GDP成長率:国際通貨基金は、インドのGDPは2027年まで年平均6.5%~7.0%のペースで増加すると予想しています7
  • 企業の収益性:2003年までデータを遡ると、インド企業の平均ROE(自己資本利益率)は17.21%であり、市場の資本コストと新興国の平均を大きく上回っています8。インドの資本市場制度の深化、中央銀行による利下げ、コーポレート・ガバナンスの改善を考えると、このスプレッドはさらに拡大する可能性があると考えられます。
  • 公的化とデジタル化:消費税(物品・サービス税)の導入、Aadhaar ID(アーダールID、インド人口の95%以上が必須のサービスにアクセスし、金融包摂を促進するための独自のデジタルIDプログラム)9、UPI(デジタル取引のニーズを生み出して経済の形式化を支えるユニバーサル決済インフラ)による支払いといった要因は、課税ベースの拡大と生産性向上を促し、同時に財政収支の改善につながるはずです。
  • 民間設備投資サイクルの反転:企業ではバランスシートのデレバレッジ(財務の健全化)が進んでおり、今後、銀行貸出が大幅に増加する余地があることが示唆されています10

リスク調整後リターン:インドは従来、ボラティリティが高いと認識されてきたにもかかわらず、近年は優れたリスクレシオを達成

  • ボラティリティに対するリターン:2025年上半期には、過去3年間および過去5年間のインドのリターン/リスク比はダウ平均、S&P 500、ナスダックの水準を上回りました11
  • 国内フロー:投信積立制度「SIP(システマティック・インベストメント・プラン)」の文化が強いことは、世界的な資金流出時に市場を安定させる効果があるかもしれません12

結論:

グローバルXの見解では、インドは新興国の中で群を抜いているだけでなく、構造的に異なる成長エンジンとして、幅広い株式ポートフォリオの中でも投資先として検討する価値が十分あります。他のリスク資産との相関が比較的低いことに加え、堅固なファンダメンタルズや改革主導のガバナンスにより、インド市場は分散投資効果に加え、アルファ創出の可能性も備えています。インドは今なお新興国であり、地政学、貿易、外国為替などの面でボラティリティの影響を受けますが、他の多くの新興国ほどマクロ経済のボラティリティを伴うことなく、その恩恵を受けられると考えられます。総じて、インドは独立した投資対象として魅力的な機会を提供していると考えます。

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