ドイツ株の長期的な投資機会:改革、再構築、再評価

ドイツの株式は2025年に入って大きく反発しました。DAXは年初来8月14日までに37%上昇(米ドル換算)し、世界のほとんどの市場をアウトパフォームしています1。もっとも、これは財政政策の決定的な転換、企業のファンダメンタルズの改善、ポジションの過小評価による追い風に支えられた、より広範な再評価サイクルの始まりにすぎません。

重要なポイント

  • 成長:2年間のGDP縮小を経て、ドイツ経済はここ数年にわたる低迷からようやく脱しつつあります。2025年1~6月のGDPは前年比で増加し、インフラ・防衛支出による財政的な刺激が、2026年の成長率を2%近くまで押し上げる見込みです2
  • ガバナンスと改革:CDU/SPD(キリスト教民主同盟/社会民主党)新連立政権は、債務上限を緩和する憲法改正を行い、公共投資の拡大を可能にしました3。また、民間セクターの成長を促すために460億ユーロ(約8兆円)の減税パッケージが導入されました4
  • バリュエーション:DAXのドイツ株の予想PER(株価収益率)は15.09倍で、S&P500指数の21倍超を29%下回っています5。ドイツ株のPBR(株価純資産倍率)はS&P500の半分以下、配当利回りは同2倍以上となっています6。財政をめぐる最近の発表は成長率を高めるとみられ、成長率の上昇は歴史的にこれらの倍率の拡大をもたらしてきました。
  • 経済成長の起爆剤:今年に入って承認された5,000億ユーロ(約87兆円)のインフラ・ファンド(2025~2036年)は前倒しされ、2025年下半期に鉄道、教育、デジタル化を対象に370億ユーロ(約6.5兆円)が割り当てられました。国防費は2025年に750億ユーロ(約13兆円、GDPの2.4%)に達し、NATOの目標を上回る見込みです7。また、エネルギー集約型セクターを支援するため、重工業向けに40億ユーロ(約7,000億円)の補助金計画が検討されています8
  • ポジショニング:ドイツ株の上昇が続いているのにも関わらず、投資家のドイツ株式のポジションは依然として軽いままです。もっともな理由があるとはいえ10年以上にわたって米国資産をオーバーウェイトにしてきたグローバルの資産運用会社が、今後、国際株式への資産配分を増やしていくのではないかとグローバルXでは見ています。そして、このような転換は始まったばかりだと推測されます。
  • 地政学:ドイツは地政学的にバランスのとれたスタンスを維持しており、世界的な不確実性の中で安定を求める世界の投資家にとってその魅力は高まっています。

結論

グローバルXでは、ドイツの株式市場が構造的な再評価の転換点を迎えていると考えています。大規模な財政刺激策、経済指標の改善、好ましいバリュエーションの組み合わせが、魅力的な投資機会を提供する可能性があります。

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