金現物投資について知っておくべき4つのポイント

「光るものすべて金ならず」という諺がありますが、時には「光るものはすべて金なり」ということもあります。金は歴史的に価値貯蔵手段として、かつ主要な投資手段として認識されてきましたが、これは現代にも当てはまります。2008年の世界金融危機や2020年のコロナショック(およびその後の数年間)など、近年で市場が最も不安定だった時期においても投資家が信頼性の高い安全資産を求めたことから、金価格は底堅く推移しました。

特に、2023年5月に金価格が最高値を更新した際、多くの投資家が関心を持ち、「なぜ金に投資すべきなのか?」という疑問が生まれました。

1. 分散化と相関性の欠如

資産配分における金の役割は分散化です。この点で、金は不動産、株式、債券といった、それぞれ収入、キャピタルゲイン、安定性をもたらす資産とは異なります。金は、他の資産が低迷しているときに良好なパフォーマンスを上げる傾向にあり、損失を抑えるのに役立ちます。これは、金が危機の際に良好なパフォーマンスを示す傾向があり、他の資産との相関性が低いためです。このため、ポートフォリオに少しでも金を加えることによって、損失を抑制することができます。これは、金がポートフォリオ全体の損失を防止するという意味ではなく、不安定な市場環境の中で一種の保険としての役割を担うということです。

2. リターンの可能性

金に投資するもう一つの理由として考えられるのは、金が長期的に提供してきた投資リターンです。

1971年に金本位制が廃止され、自由な金市場が誕生して以来、金価格は価格リターン(キャピタルゲイン)ベースでほぼS&P500と横並びで推移してきました。オーストラリアとの関係で言えば、金は価格リターンでS&P500/ASX200(オーストラリア証券取引所に上場される銘柄のうち、時価総額上位200銘柄で構成される指数)をアウトパフォームしています。ただし、トータルリターン(配当金を全額再投資すると仮定)ではアンダーパフォームしています。これは、オーストラリアの投資家にとって金が比較的優れたパフォーマンスを示してきたこと表しています。

さらに、1991年から2021年までの期間にプラスのトータルリターンを示したASX(オーストラリア証券取引所)上場企業はわずか39%、つまり、ほとんどのASX上場企業のパフォーマンスはこの期間でマイナスであり、過去20年間に年間平均約9%のリターンを上げてきた金のパフォーマンスを下回っています。

3. 金価格の変動要因

金投資を検討している投資家の中には、金価格がどう動くか疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれません。金には株式や債券のような収益性が存在しないため、割引キャッシュフロー分析のような従来の方法で評価することができません。統計的に、金価格を予測する上で最も有力な2つの指標は、米国10年物国債の実質利回りと米ドルです。

金と米国債の実質利回りが関連する理由は、金が他の資産と同様に市場金利の影響を直接受けるためです。一般的に、金は実質金利(インフレの影響を考慮した金利)が低い際や、マイナスの際に最も良好な動きを示します。

もう一つの主要な予測指標は米ドルの強さです。なぜなら、金は他の商品と同様に主として米ドル建てで取引されるためです。しかし、実際は米国の金購入は少なく、最大の金購入国は中国とインドです。そのため、米ドルが下落すると、米国外の人々が金を購入しやすくなることを意味し、結果として金の購入が増え、価格が下支えられることになります。

4. 金現物ETF:簡単で低コストなエクスポージャー

2003年にオーストラリアのグローバルXが世界初の金現物上場商品(ETP)を立ち上げて以降、金現物ETPの人気は著しく高まっています。ワールド・ゴールド・カウンシルによると、金現物ETPは世界の2,100億米ドル相当(約31兆円)の金を保管しています。また、金現物ETPは最も一般的なタイプのETPであり、インドからロシア、エジプトまで世界中の取引所に上場しています。

金現物ETPは金地金を取引単位とし、株式のように取引所で取引されます。また、銀行の金庫に保管されている金地金によって完全に裏付けられており、個人投資家は金の保管リスクとコストを軽減することができます。その結果、金ETPは多くの人にとって金投資の主要な手段としてよく好まれています。

金現物でポートフォリオを強化

市場が順風満帆であろうと崩壊状態であろうと、どのポートフォリオにおいても金は活躍できます。十分に分散された資産構成と組み合わせることによって、金は収益を分散し、保護し、提供することができます。そして、金現物ETPでは、一回の簡単な取引により、低コストで金に投資することができます。

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